4月30日で、テレワークを始めて1カ月がたった。楽天担当として仙台へ転居し、リビングのこたつが、もっぱらの“取材先”だ。ただ、窓を開ければぽかぽか陽気。運動不足解消へ「1万歩」を目標に、マスクを着用し自宅のある大町から楽天生命パークへ散歩をしてみた。

大型連休中だが、人はまばらだった。晩翠通を渡り、商店街へ。飲食店はほとんど休業。店先にはランチ弁当が並んでいる。仙台駅も西口から普段は見えない東口が見渡せる。東口には楽天のグッズショップが2店舗あるが、ともに臨時休業中。のぞき込むと「SUZUKI7」と刺しゅうされたユニホームや手帳などの新商品が、ひっそりとファンを待ちわびていた。

チームは3月30日から活動休止となった。この日でちょうど1カ月。この期間は楽天生命パークをはじめ、室内練習場、泉2軍練習場など全ての球団施設が閉鎖。現在12球団で唯一、自主練習さえ再開していない。自宅のスペースを活用したり、人の少ない早朝、夜の時間を狙って公園へ向かい、汗を流す選手もいる。

12球団で最も“シビア”といえる対応に、他球団との差が出る懸念もぬぐえない。ただ選手は「我慢」「耐える」「最高の準備をする」と口々に発する。エースで選手会長の則本昂は「心身の調整は難しい部分もある」と明かしたが、厳しい状況にもおのおのがベストを尽くしている。

そんなことを考えながら歩いていると、本拠地が見えてきた。周辺も案の定、人の気配はない。当初の日程では、今季34試合目、オリックスとのナイターが予定されていた。応援歌をBGMに、おいしそうなにおいを漂わせる売店の前にファンが列をつくっていただろうか。今頃首位に立っていただろうか。往復約7キロの道のりを1万4596歩。いい運動だ。チームは当面の間、活動休止が続く。さて、テレワークに戻ろう。【桑原幹久】