6年目のブレークの予感だ。中継ぎの広島塹江敦哉投手(23)が今季、活躍の場を広げている。自身初の開幕1軍入りを果たした左腕。最速150キロ超えの直球と切れ味抜群のスライダーを武器に、開幕から8試合連続で無失点投球を続けた。8日DeNA戦(マツダスタジアム)では念願のプロ初勝利を手にするなど、飛躍の年となっている。
香川・高松北から14年ドラフト3位で入団した。16年に1軍デビューを飾り、3試合に登板。しかしその後17、18年は1軍マウンドから遠ざかり、昨季は3年ぶりに1軍戦に出場。主に中継ぎとして11試合を投げ防御率は6・10だった。
2月春季キャンプから好調の要因の1つに考え方の変化があった。これまでは思い通りの直球、変化球が投げられない場合に「何とか走らせよう、何とか曲げよう」と焦りがあったという。「今では球が走ってない時に走らせようとするのではなく、今ある現状の球でどう抑えるかということに意識を置くようになってから、良い感じに変わってきました」と明かす。
塹江は今、師匠の助言を実現しようとしている。4学年年上の中崎翔太投手(27)とはプライベートでも“ニコイチ”と言われるほどの仲良し。そんな経験豊富な右腕に弟子入りし、17年1月から自主トレを毎年継続して行っている。今年の1月にも三重県内で中崎らと自主トレを敢行。その際に中崎から受けた言葉が印象に残っているという。
「今年しっかりやって、自分の立場を確立していくように」
今季序盤はビハインドの場面からスタート。好投を連発し、勝ちパターンのポジションを獲得しつつある。「ザキさん(中崎)は休まない。守護神で年俸が1億円超えている選手はそれだけの練習しているということ。僕も負けてられないです」。クローザーとしてチームの3連覇に貢献した背中を追い続け、年々着実に力をつけてきた。現在は2軍で調整中の中崎も、弟分の活躍が刺激になっているに違いない。20年は進化した左腕の奮闘に注目だ。【広島担当 古財稜明】




