未来のエースとして期待される阪神高橋遥人投手(24)。プロ3年目の左腕は今季ここまで7試合に登板したが、2勝3敗。防御率2・35ながら、8月25日中日戦(甲子園)を最後に勝ち星が遠ざかっている。

黒星が先行する状況に、高橋はもどかしい思いを抱えているだろう。今春の沖縄1軍キャンプでのこと。インタビューで今季こだわる数字について聞くと、こう返ってきた。「勝ちのほうを多く、それだけだと思います」。昨季は好投を続けながらも、終盤に1発を浴びたりと、紙一重の敗戦も多かった。「めちゃくちゃあったじゃないですか。そんな場面ばっかり。そういうところで勝てるのがいいピッチャーだと思うので」。自身の数字よりも、勝利という結果に強くこだわるシーズンだ。

8月18日巨人戦(東京ドーム)では相手エース菅野に、すごさをまざまざと見せつけられた。高橋も7回2安打1失点と快投しながら、菅野は3安打完封で当時8連勝。「やっぱり見ててもすごいなと。1回から9回まで精度だったり(球の)強さというのは変わってなかった。中5日でやってきて、ああいうピッチングができるというのは、ああいう人がエースだと。タイガースだったら西さん。やっぱり質がいいです」。今季の戦いはまだまだ続く。全ての敗戦の悔しさを糧に、白星をつかみ取ってくれるはずだ。【阪神担当 磯綾乃】