育成出身のプロ8年目、石川柊太投手(29)が自身初の開幕投手へ着々と準備を進めている。キャンプ中に大役の指名を受けたが「どんな試合も大事だと思っているので。開幕投手だからと言ってダッシュを1本増やすとか、そういう話ではないですし、やることは変わらないと思う」。気負いすぎることなく、普段通りに自分と向き合い調整する姿が頼もしい。

今月5日のオープン戦阪神戦では、ドラフト1位ルーキー佐藤輝明内野手(21=近大)に本塁打を許した。ともに人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の大ファン。「モノノフ対決」としても注目を浴びたが「見ている人が楽しんでもらえれば、やっている方としてはうれしい。自分は真剣にやりますけど」と、ファン目線を意識して振り返っていた。

対戦の後日談が面白かった。石川はその後も、佐藤輝の動向を気にしていたようで、10日広島戦での本塁打に着目していた。「しっかり打ってて、推しのれにちゃんのソロコンサートだったので、さすがだなと」。当日は佐藤輝の推しメン、ももクロ高城れにのライブが開催されており、節目? での活躍に舌を巻いていた。石川自身も負けじと「自分もああやって、推しのソロコンの時に活躍できるように、頑張りたいと思います」。プロ野球選手からはなかなか聞けない意気込みが聞けて、好きなジャンルは違えど同じオタクの1人としてうれしい気持ちになった。

ファンとしての楽しみ方を知るからこそ、楽しませ方も心得ている右腕だ。まずは開幕戦勝利という最大のファンサービスで応えてくれることに期待している。【ソフトバンク担当=山本大地】