母の日前日の8日に、首もとを温める小型の電動マッサージ機を贈った。母は今年で53歳。実家に帰ると「首が痛い」とよく言っていたことを思い出して、2日前にネットで注文した。感謝の気持ちを言葉で伝えたのは高校時代、野球部のお別れ会で手紙を読んだ時くらい。今年で29歳になるが、まだ恥ずかしさがぬぐえない。

9日のプロ野球はピンク色に染まった。12球団が初めて「NPBマザーズデー2021」と銘打って、大々的に企画が行われた。日本ハム対楽天戦が行われた札幌ドームでもバット、スパイク、リストバンド、打撃用手袋、球審のマスクまでピンク色。スタンドの観客も、心なしか“お母さん世代”の方々が多く映った。

もちろん、選手への質問も、母に関することが主だ。ピンク色のバットで2号2ランを放った浅村は「頑張って産んでくれて今の自分がある。何とか、結果として良い形で頑張っている姿を見せたいと思った」、リーグトップタイの4勝目を挙げた早川は「辛い時もうれしい時も一緒に分かち合いながらも、野球選手は辛い時の方が多いと思うので、そういう中でも支えてくれたからこそ自分がここまで来られているので感謝したいです」と多数の選手が思いを言葉にした。

メディアを通じて、とはいえ、はっきりと自らの思いを明確に伝えられる選手の姿に、自らを顧みた。日頃から感謝の思いを伝えられているだろうか。何かの節目でなくとも、少しずつでも、言葉にしていきたい。【楽天担当 桑原幹久】

日本ハム対楽天 5回を投げ終え笑顔でベンチに戻る早川(撮影・黒川智章)
日本ハム対楽天 5回を投げ終え笑顔でベンチに戻る早川(撮影・黒川智章)