中日の立浪和義新監督(52)が発した言葉に、懐かしい響きを感じた。11月4日のナゴヤ球場でスタートした秋季キャンプで早々と陣頭指揮を執っているが、就任会見は10月29日の名古屋市内のホテル。新聞、テレビ、ネットメディアも集まり注目された。公式会見後の新聞記者だけの囲み取材で、新指揮官は言った。

「自分はまだ選手と会っていないので。ちょっと(紙面を)お借りします」。

そのあとに続いたのはキャンプまでの自主練習に臨んでいる選手たちへのメッセージ。「シーズンの疲れを取るのも1つ。来年に向けて反省も。秋から来年に向けてどうやっていくかの期間でもある。11月4日からハードな練習が始まる準備も。はき違えないようにやってもらいたい」

テレビやネットメディアは、速報性を重んじてきた。最近の新聞もネットへの配信を強化している。それでも、立浪監督は、選手たちへメッセージを送るために、「(紙面を)お借りします」と仁義を切った。かつて取材した仰木彬監督や高木守道監督も、そういう気配りを見せていた。

就任会見では茶髪、ヒゲ、髪形への「規制強化」も口にした。11月4日のキャンプ初日には、選手たちにあいさつの重要性を説いた。「ドラゴンズの選手は気持ちいいあいさつができるな、変わったな、と言われるように。これは社会人としての当然のことだと思う。そういうチームを作っていきたい」。

野球人であり社会人。ぶれない信念と、選手や関係者へのさりげない気配り。念願の監督就任を果たしたミスタードラゴンズの言葉に、さらに耳を傾けたいと思った。【中日担当=伊東大介】