初の1人暮らしとはどんなものだろう。不安でいっぱい? 面倒臭い?

15日に退寮し“1人暮らしデビュー”を果たした高卒3年目の巨人戸郷翔征投手(21)はウキウキしているように見えた。

さっそく初夜から市販のギョーザを、2日目には豚のしょうが焼きを自炊。「お母さんのすごさを知りましたね。今までは食べてOKだった。それと朝起きて作らないといけない。その大変さはありますけど、まあ楽しいです。自分の好きなもの食べられるので」とほおを緩ませた。

子どものころから「1人で生きられるように」という教育方針のもと、台所に立っていた。自炊能力は増量計画にも一役買う。現在78キロの体重を82キロまで増量を目指す。栄養面にも気を使う。「野菜を食べたりとか、カロリー考えたり。脂肪増やすために。どんだけ脂肪ついてもいいやと。つかないので」と高カロリー食品で身体を作り上げる。

ほぼ同じタイミングで引っ越したずぼらな記者自身は、自炊の選択肢すら浮かばなかった。初夜はおろか、2日目、3日目も、カップ塩焼きそば「ごつ盛り」にウーバーイーツ、餃子の王将。トレーニングに、取材にイベントに引っ張りだこで忙しいはずの戸郷はしっかり栄養バランスを考えて自炊をしている。戸郷をはじめ1人暮らしで自炊して、家事もこなすプロ野球選手には素直に「すごいな」という感情しかない。

21歳の自立心は自主トレメンバーにも表れる。同学年の横川、戸田に加え、後輩の育成ルーキー笠島を誘った。「TEAM TOGO」を結成し、先頭で引っ張る。目標も「最多勝」に設定。「自分にプレッシャーかけてやっていけたら」と2年連続9勝とギリギリ2桁勝利に届かなかった過去の自分を脱皮しようとしている。

来季からは家に帰っても、苦楽をともにした同僚はいない。温かい食事は用意されていない。己と向き合いながら、1人の大人としてプロ野球選手を全うする。だが、戸郷なら特に心配なさそうだ。【巨人担当 小早川宗一郎】