ヤクルトの昨年ドラフトただ1人の育成指名選手、岩田幸宏外野手(24=BC信濃)が、地道にアピールを続けている。18日西武戦(ベルーナドーム)に6回の中堅守備から途中出場すると、9回無死、西武宮川から左前にオープン戦初安打を放った。

持ち味の俊足好守だけでなく、バットでも存在感を発揮したルーキーに高津監督も「スピードはありますし、そこを生かしてくれた。なかなかチャンスをあげられなかったですけど、このヒットをきっかけに、また次も頑張ってくれたらいいなと思います」と期待を込めた。

岩田と言えば思い出すのが、今年1月の“手ぶら入寮”だ。近年はどの球団も新人が入寮する際は、思い出の品や、こだわりのグッズなどを持参し、記念撮影に納まるのが恒例となっているが、岩田はそれを知っていて、あえて何も持たずにやってきた。「特にないです。ずっと使っている家具だったりは持って来ましたが、変わったものは持って来ていないです。野球をやるだけなので」とキッパリ。「みんなからもらえたらなと思います」と、育成から裸一貫で欲しいものを手に入れていく決意を示した。

今季のドラフト加入選手は岩田を含め6人いるが、ここまで1軍戦に出場しているのは2位の丸山和郁外野手(22=明大)と2人だけだ。今後も少ないチャンスの中で着実にアピールを続け、まずは支配下登録をつかみにいく。【ヤクルト担当=鈴木正章】