DeNAは、5月を11勝11敗の5割で終えた。3勝3敗だった3月から、計12選手が新型コロナで離脱するなど「我慢」の戦いを強いられた4月が7勝12敗だったことを考えれば、上昇への兆しが見えた1カ月だった。

チーム成績は良化したが、内情は5月も「我慢」の戦いだった。6日に佐野が椎間関節炎で抹消。8日には右肩の張りでセットアッパーの三嶋、9日には右太もも裏の肉離れで大田が戦列を離れた。佐野は21日に復帰したが、楠本が右太もも裏の肉離れで離脱した。

戦力がそろわず、苦境に立たされた中でも三浦監督は常に前を見続けた。「主力が抜けても試合はありますから。逆にまた新しい戦力を見つけるというか、出てくるんじゃないかという方の楽しみがあります」と言った。

指揮官の思いに応えるように、宮本が5日の中日戦で18年以来4年ぶりの今季1号ソロを放ち、倉本も2年ぶりの今季1号ソロをマーク。スタメンマスクが増えた嶺井は、4日の中日戦で19年8月24日の巨人戦以来、約3年ぶりのアーチを刻んだ。

振り返れば、4月はルーキー梶原が12日の巨人戦でプロ初安打初本塁打の衝撃デビュー。2年目の池谷が21日の阪神戦でプロ初勝利を挙げるなど若手が台頭したが、5月もまた出番を与えられた若手、中堅がアピールした。

2連敗スタートの6月は、大田と右太もも裏の肉離れと左足首の捻挫で2軍調整中だった森が、3日の楽天戦から1軍に合流。ムードメーカーの存在はチームの雰囲気を明るくさせ、合流初戦の同戦で快勝した。「反撃」を加速させる1カ月にする。【DeNA担当=久保賢吾】