今季、新外国人の入団会見をいくつか聞いた。日本の言葉を予習してきた助っ人たちが印象的だった。西武ジャンセンは米国で日本人コーチに頼み、カンペを用意していた。ヤクルト・キブレハンは、メッツ加藤豪将から日本語のあいさつをたくさん教わってきた。
外国人選手と日本語の向き合い方はいろいろある。例えば前DeNA監督のアレックス・ラミレス氏(47)は、言葉を理解していたであろうに通訳をつけていた。細かいニュアンスまで誤解なく伝えたかったからで、誠実な姿勢だと感じる。一方で、通訳をつけなかったから人柄がにじみ出たパターンもある。
20年までNPBでプレーしたチェン・グァンユウ投手(31)は癒やしの存在だった。DeNAに4年間在籍していたチェンは、「日本語できるよ」と言ってロッテ入団時に通訳をつけなかった。確かに日常会話はできた。が、時々あやしかった。
チェンさんの、印象深い日本語エピソードをいくつか挙げたい。
<1>ロッテ春季キャンプ地である沖縄・石垣島の小学校を訪問したときのこと。生徒の「好きな果物は何ですか?」の質問に「カレーライスよ」と答え、子どもたちをポカンとさせる。
<2>地元・台湾への遠征で選手ロッカーに食べ物を差し入れ。自分で振る舞っておいて「遠慮してね!」と胸を張る。(遠慮しないで、と言いたかった模様)
<3>節分に「あなたにとっての鬼は何?」と聞かれ、「鬼、怖いです。嫌いです。鬼の映像見たら怖くて眠れないですよ~」と、ガチの鬼に対する感想をくれる。
はあ~。どれもかわいくて頭を抱えてしまう。
日本語は数ある言語の中でも相当難しいと言われる。通訳に頼らず、一生懸命伝えようとするさまは周りに好かれた。日本ラストイヤーだった20年には、試合に投げずに1軍同行していたルーキー佐々木朗を気にかけ、よく声を掛けていたという。
程度の違いはあれど、異国の言葉を覚え、コミュニケートしようとする選手たちには敬意を払いたい。ちなみに石垣島で、果物=フルーツと学んだチェンさんはその後、「いちごが好き」と答えをアップデートさせたことを添えておく。【遊軍=鎌田良美】




