<ソフトバンク2-3日本ハム>◇26日◇ペイペイドーム

プロ野球の取材をしていると、試合で達成されそうな記録を調べ始めるとなかなか成就しないというジンクスがある。記録というほどではないが、ちょっとした数字が気になって調べ始めたら、ソフトバンクがBIGBOSS新庄監督率いる日本ハムに延長戦で負けてしまった。

「気になった数字」というのはホークスの「1点差勝敗」だった。4位に甘んじた昨年は1点差の試合で8勝19敗と大きく負け越した。接戦を落としたことは低迷の要因でもあった。だが、今季は交流戦を終え、リーグ再開して首位奪回。日本ハムにも2連勝し、カード3戦目は1-1から6回に三森の適時二塁打で勝ち越しに成功。7回からは藤井-又吉-モイネロとつないで「逃げ切り」での3連勝を想定していたのだが…。

ソフトバンク対日本ハム 延長10回表、悪送球で日本ハムに勝ち越しを許し、肩を落としてベンチへ戻る嘉弥真(右)。左は甲斐(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対日本ハム 延長10回表、悪送球で日本ハムに勝ち越しを許し、肩を落としてベンチへ戻る嘉弥真(右)。左は甲斐(撮影・岩下翔太)

今季ホークスの1点差は7勝8敗だった。勝てば星勘定は五分となる。大きく負け越した昨年の数字を払拭(ふっしょく)するターニングポイントになるのでは? と思っていたのだが…。結果はご存じの通り8回に上川畑のプロ1号で同点とされ、延長10回にエラーが絡んで決勝点を献上。何とも悔しい「1点差負け」でゲームセット。1点差勝敗は7勝9敗の「借金2」となってしまった。6月の勝敗も2試合を残して9勝10敗の「借金1」。首位にはいるが、まだまだチームに突破力はない。

泥臭く1点を積み上げ、何とかブルペン陣の奮投で「先行逃げ切り」を目指す藤本監督にとっては、まさに「暗転ゲーム」となったわけだ。試合後にはさらに球団リリースで和田、グラシアル、野村勇、本多コーチが新型コロナウイルス陽性疑いと発表された。27日はロッテを相手に東京ドームで「鷹の祭典」が行われる。チームは敗戦後に空路上京。何とも厳しい戦いを強いられることとなってしまった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】