阪神ロドリゲス内野手(30)は「第2のブラゼル」になれるか。7月にタテジマに袖を通した右の大砲候補は、20年オリックスでプレー。NPB他球団に在籍経験があり、阪神にシーズン途中入団した野手は5人目だ。ロドリゲスが結果を残して次年も阪神に残留すれば、09~12年のブラゼルに次ぎ2人目となる。

過去の4人は、ブラゼルを含めこんな顔ぶれだった。

◆67年クレス(63~65年大洋、66年近鉄)大洋時代64年の36本塁打は、王貞治(巨人)55本に次ぐセ・リーグ2位。阪神では36歳を迎えており、往年の輝きを取り戻すことはなかった。在籍1年=43試合、29安打、5本塁打、17打点、打率2割1分5厘。

◆97年コールズ(96年中日)足を骨折し「神のお告げ」で引退したグリーンウェルに代わり、緊急補強。中日では29本塁打の実績があったが、持病の右肘痛に悩まされ続けた。在籍1年=63試合、56安打、7本塁打、28打点、打率2割4分2厘。

◆00年フランクリン(99~00年日本ハム)左右両打席からの長打力が売りで、99年には30本塁打を放った。00年途中に金銭トレード加入したものの、右手首の故障を再発させてしまった。在籍1年=8試合、5安打、2本塁打、打率1割7分2厘。

◆09~12年ブラゼル(08年西武)米独立リーグを経て阪神入り。タテジマ初戦でいきなり本塁打を放つなど、持ち前の長打力を見せつけた。10年には金本知憲、新井貴浩、城島健司、マートンらと重量打線を形成。同年47本塁打は、甲子園ラッキーゾーン撤去の92年以降の球団最多だ。在籍4年=443試合、433安打、91本塁打、278打点、打率2割8分。

阪神が開幕後に獲得した外国人野手は、これら4人を含め19人いた。翌年以降も契約を勝ち取ったのは、ブラゼルのほか、52~54年小島勝治、60~63年ソロムコ、01~02年エバンス、15~16年ペレス、18~19年ナバーロの6人だけという狭き門だ。後半戦に入り阪神は、ついに貯金生活という快進撃を続けている。ただし打線は、大山悠輔が新型コロナウイルス陽性反応で戦列を離脱という、緊急事態を迎えた。大砲として打線の強化に一役買い、23年につながる働きを見せてほしい。

【記録室 高野勲】(スカイA「虎ヲタ」出演中。今年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」で準優勝)