楽天石井一久GM兼監督(49)が、“仲間”の新天地での活躍を願った。15日、楽天涌井秀章投手(36)と中日阿部寿樹内野手(32)との交換トレードが発表された。楽天は通算154勝を挙げ、昨年は開幕投手を務めたベテランを放出することになった。中日と話し合いをしている段階から、涌井に説明し、了承を得た上でのトレード成立。「彼とは戦友であり、同志なので、彼に任せた。阿部選手という貴重な戦力が来てくれるというのはうちは大歓迎。ただ、ワクの気持ちも大事にしてあげたいと思った」と説明した。

来季は敵となるが、ともに戦ってきた仲間。名古屋での好投を心から願っている。「彼なら本当に大丈夫だと思うし、精神的な部分で弱いところもない。むしろぶつかっていけるところは長く野球を一緒にしていて分かっているので心配はしていない。今回いろいろ話しましたけど、本人が挑戦したいと思えるものはよかったなと思います。トレードって後ろ向きな報道とかが多いんですけど、環境変わるっていうのはすごく大事な部分」と力を込めた。

常に持ち続ける選手ファーストの考えを持つ。「ちょっと寂しい気持ちはあります。でも、彼が最大限力を発揮してくれるところが中日にあるのであれば、送り出してあげたい」。電撃トレードの裏側に、指揮官の愛情が垣間見えた。【楽天担当=湯本勝大】