日本ハムファンにとって、3月に開幕を控えたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、過去最高に見どころ盛りだくさん。北海道で一流に育ち、世界へ羽ばたいたダルビッシュ(パドレス)と大谷(エンゼルス)が参戦するというニュースは、日本中の野球ファンの心をときめかせた。間違いなく主役になるであろう、この2人に加え、ひそかにうれしかったのが、かつて2人とバッテリーを組んだ球団OB鶴岡慎也氏(41)の侍ジャパン入りだった。

ブルペン捕手という大役を命じられた鶴岡氏は今、地元鹿児島で必死に自主トレを行っている。現役を引退して、2年目。「代表チームに行って、動けないでは話にならない。きちんと球を受けておかないと」。

2月中旬から宮崎で始まる代表合宿では、ダルビッシュや大谷といったメジャーからの参戦組だけでなく、日本球界屈指の投手陣の球も受けなければならない。「1度、引退した身。楽しみというより責任を感じます」。年明けからの自主トレで体をつくり、2月1日からは日本ハムの春季キャンプに志願の参加。テレビ解説の合間を縫ってブルペンの“壁”となり、代表合宿に備える予定だ。

現役時代はダルビッシュとの黄金バッテリーで、常勝チームを支えた。社会人からテスト入団でプロ入りした苦労人は「ダルのおかげで稼がせてもらって、感謝しかない」と、かつての“相棒”に最敬礼。初めてコンビを組んだのは、ダルビッシュが入団1年目の05年。「ファームで。その時からスーパーピッチャー。高卒とは思えないほど完成度が高かった」という右腕とその後、長らくコンビを組み、数々のドラマを演じた。

「代表合宿って宮崎のサンマリンですよね。フレッシュオールスターに2人で一緒に出た場所なんですよ。懐かしいなあ」。鶴岡本人いわく、「超特大」の先制本塁打を打ってMVP。ダルビッシュも優秀選手賞を受賞した、2人の物語の原点であり、思い出の地だ。あれから、18年-。久しぶりに顔を合わせる2人は、ブルペンでどんな“会話”をするのだろう。球を受ける機会は、あるだろうか。かつての“黄金バッテリー”復活を想像するだけで、ワクワクが止まらない。【日本ハム担当=中島宙恵】

日本ハム対オリックス 9勝目を挙げたダルビッシュ(右)は相棒鶴岡慎也とインタビューを受け笑顔(2010年7月9日撮影)
日本ハム対オリックス 9勝目を挙げたダルビッシュ(右)は相棒鶴岡慎也とインタビューを受け笑顔(2010年7月9日撮影)
楽天対日本ハム 5回表日本ハム1死一、三塁、陽の右前適時打で生還した鶴岡を笑顔で出迎えるダルビッシュ(撮影・蔦林史峰)
楽天対日本ハム 5回表日本ハム1死一、三塁、陽の右前適時打で生還した鶴岡を笑顔で出迎えるダルビッシュ(撮影・蔦林史峰)