楽天石井一久監督(49)が、“ホープのもがき”に期待した。

高卒2年目の吉野創士外野手(19)を1軍キャンプに抜てき。その後も離脱することなく、5日の日本ハム戦(札幌ドーム)でも、1軍に同行した。開幕1軍入りへアピール続けているが、指揮官が見るのはもっと先の未来。「吉野は失敗してくれればいいです」と目線を上げた。

高い潜在能力を買って、21年ドラフト1位で指名した。「球団の今後を担っていける選手」と大きな期待を寄せている。大きく羽ばたくために、今は現在位置を知ることが大事。「どういうところが欠けているかとか、そういうところを自分のセンサーでしっかりと感じてもらって」と力を込めた。

吉野はオフ期間は巨人坂本勇人内野手に弟子入り。球界を代表する打者から打撃を学び、着実に成長してきている。キャンプや練習試合では、柔らかい天性の打撃センスの片りんを見せることもあった。それでも思い描くのはもっと大きな姿。指揮官は「今のままやって、大成功は難しいなと思う。自分の壁をいっぱい作ってもらいたいなって。失敗しないと成長は今できない」。1軍で失敗を恐れず、思い切ったプレーを期待した。【楽天担当 湯本勝大】

日本ハム対楽天 8回表楽天1死満塁、逆転となる左越え満塁本塁打を放った伊藤裕を笑顔で出迎える石井GM兼監督(中央後方)(撮影・佐藤翔太)
日本ハム対楽天 8回表楽天1死満塁、逆転となる左越え満塁本塁打を放った伊藤裕を笑顔で出迎える石井GM兼監督(中央後方)(撮影・佐藤翔太)