WBCを一緒に取材する先輩から「チェコの人って明るいんだな。勝手なイメージで、東欧だから暗いのかと思ってた」と言われた。私が以前、同じ東欧の旧ユーゴスラビアで働いていたから、話を振られたのだろう。
そう、チェコの人は明るい。実は1人あたりのビール消費量は世界一。「バドワイザー」といえばアメリカのイメージがあるかも知れないが、チェコのビール産地の地名にちなんだものだ。プラハを2度ほど訪れたことがあるが、至る所にパブがあり、にぎわっていたような記憶がある。
その国民性は、グラウンドでも発揮された。11日の日本戦。ウィリー・エスカラ外野手が4回、佐々木の162キロを膝に受け、しばらく起き上がれなかった。球場がざわざわする中、ようやく立ち上がると、一塁へ。そして、右翼側のファウルゾーンで急にダッシュをやりだした。「俺は元気だぜ!」というアピールに東京ドームが沸いた。
試合に敗れた後は日本ベンチに向かって拍手を送ったり、休養日に佐々木がエスカラにお菓子の詰め合わせを届けたり、さらには選手たちが大谷のサインバットをねだりに来たり。試合を離れたところでも話題が続き、日本でチェコ・ファンが増えたと感じる。
これが国際大会の良さだなと思った。WBCを真の世界大会と呼べるのかと言ったらツッコミどころは多い。なぜ、毎回1次ラウンドが日本と米国で行われるのか? なぜ、今回、日本の準々決勝は必ず16日に設定されているのか? なぜ、ホームページ上の準々決勝以降の組み合わせ表示が突然変更されたのか?
メジャーリーグの大会であり、公平性よりも、ショーアップ、興行が優先されている側面はある。とはいえ、チェコのように野球新興国が出てきたのも、WBCのおかげではある。
初戦の中国戦で歴史的1勝を挙げた後の会見場。立ち去るチェコの選手に「Gratulujeme!」(おめでとう)と言ったら、すごく喜んでくれた。グーグル翻訳のおかげです。次の大会も、チェコに続く新興国が沸かせてくれると期待している。【侍ジャパン担当=古川真弥】




