とても印象的な言葉だった。

「望んで、出ていったわけではないんですけど。野球をやることには変わりないので、あのマウンドで躍動している姿を1人でも多くの人に見てもらえるように頑張りたいです」

日本ハム田中正義投手(28)は、率直な気持ちを答えてくれた。

4月11日ソフトバンク戦(ペイペイドーム)の試合後に取材した。昨季まで在籍した古巣の本拠地を初めて訪れ、8回に出番がやってきた日だ。場内に名前がコールされると、球場全体から温かい拍手が送られた。今季も目指し続けるはずだったマウンドで、日本ハムのユニホームを着て、すっかりトレードマークとなった笑顔を絶やさずに、1イニングを3者凡退で打ち取った。

拍手で出迎えられたシーンを振り返ってもらうと「本当に、ありがたいことです」。感謝の言葉に続けて冒頭の「望んで(ソフトバンクから)出ていったわけではないんですけど。野球をやることには変わりないので-」という熱い思いを語ってくれた。

FA移籍の人的補償で、日本ハムに移籍した16年ドラフト1位右腕は、紆余(うよ)曲折を経て、同26日オリックス戦(エスコンフィールド)で涙のプロ初セーブ。ただ、運命的にたどり着いた新天地で切り開く、新たな野球人生は始まったばかりだ。「あのマウンドで躍動している姿を1人でも多くの人に見てもらえるように頑張りたい」という思いを胸に右腕を振り続ける。【遊軍 木下大輔】