初めてのプロ野球担当として、シーズン開幕から1カ月が過ぎた。担当のロッテは14勝10敗と好調で、2010年以来13年ぶりとなる4月終了時点の首位だ。
脳内も、プロ野球担当になってきたのかなあと少しだけ感じたのが、オリックスとのビジター3連戦だった。常に熟睡のため、夢はあまり見ない? 覚えていない。だが、4月29日の朝に起こしてくれたのは、ロッテ田村龍弘捕手(28)だった。朝5時前。これは夢の話です。
「コラ、コラ、コラ、コラ(本来はこのかけ声は大下誠一郎内野手のはずだが…)。鎌田さん早く起きてや。一緒に行くっしょ~」。
どこに行くのか、何を約束していたのか…。そこは定かではない。
「オレは常に準備出来てるよ。野球選手も記者も準備が大切やねん」。
ストーリーはない。ただ、現実の世界の前夜は、ちょっとだけ…と調べもの途中でベッドに横になったら、あっという間に田村との夢での遭遇。夢の中で愚行を指摘されたかのうよう-。2度寝して夢の続きを見ようかな…と思ったが、「準備」の指摘を思い出し、目覚めの歯磨き後、開いたままだったパソコンの前に座った。ロッテの選手が夢の中に出てきたのは、石垣島キャンプ中の佐々木朗希投手に続き2度目だ。たぶん。
東北6県担当時代に田村の母校八戸学院光星(田村在学中は光星学院)の仲井宗基監督には大変お世話になった。監督室で「田村はなあ」と何度も高校時代の話を聞いた。「あいつは、チームに1人いるとありがたい人間。チームの成績が良くても悪くても、明るく盛り上げてくれた。かといって厳しいこともちゃんと言葉で説明出来る。田村は2人はいらんけど…(笑い)」。仲井監督は田村談議になると必ず表情が緩む。だから番記者となってから、話をしてみたい選手の1人だった。
「取材はいいねん。いらんよ」と言いつつ、話が始まると丁寧に分かりやすく教えてくれる。だからこそ、選手や首脳陣からの信頼も厚いのだろう。今季24試合を戦って、捕手最多11試合の先発マスク。13試合に出場し、28打数5安打で打率は1割7厘。1打点も押し出し四球のみでタイムリーはなし。4月26日の西武戦では隅田から今季左投手初安打と思ったが、右ゴロも食らった。だが、リード面で投手陣に好成績をもたらしているのは田村の力で間違いない。
ケガなどに泣かされ、昨季は2試合しか1軍出場がなかった田村。18年には全試合出場した経験もあるだけに、悔しさは計り知れない。国内FA権を行使せずに残留。背番号も22から27に変え、「心機一転」と目標を掲げた今季だ。
5月は田村の月に-。守備だけでなく、打撃でも目覚める。一緒に行く目的地はリーグ制覇。夢ではなく現実に。【ロッテ担当 鎌田直秀】







