<ソフトバンク7-3楽天>◇3日◇ペイペイドーム
ソフトバンクは本拠地ペイペイドームの今季最終戦を白星で飾った。貯金3として、残り2試合。貯金を保持の今シーズン勝ち越しは決めた…。いやいや、昨年の屈辱を思い起こせば、そんな小さな目標で終わるつもりではなかった。最終戦セレモニーでマイクの前に立った藤本監督は「V奪還…」のところで声を詰まらせた。3年ぶりV奪回はならずCS争いを続けている現状はチームにとって「屈辱」の2文字と言っていい。
だからこそ、残る試合は勝ち抜かないといけない。試合後、王球団会長も言った。「(V逸という)こういう結果になってしまったけど、まだまだ日本一になるチャンスはあるからね。ウチらしい試合ができたね。和田がよく頑張ったよ」。リーグ頂点には立てなかったが、日本一への道は続いているのだ。シーズンのラスト先発だったベテラン和田が6回途中3安打無失点の好投で8勝目を手にした。勝利投手の権利を得る5回の投球は伊藤裕、鈴木大、太田を3者連続空振り三振に切った。42歳の左腕は気迫十分のマウンドで勝利への執念を見せつけた。9日のオリックスとの最終戦(京セラドーム大阪)でもスクランブル登板はいとわない構えだ。
最終戦セレモニーではバックスクリーンにシーズン振り返りの映像が流れた。最後は「さあ、ここから逆襲だ! 」の文字が浮かび上がった。そう、逆転勝者への可能性がある限り、必勝の道を突き進まなくてはならない。チームにとって来季への大きな課題を抱えつつも、頂点への歩みは止めるわけにはいかない。【佐竹英治】