オリックスは今年、2年連続の日本一こそ届かなかったが、最後まで強さを見せた。主力がケガを抱えながら、第7戦までもつれる熱戦。リーグ3連覇、3年連続の日本シリーズ出場を成し遂げたことは変わらない。
シーズンを通して離脱者も多かったが、全員が戦力として、その都度カバーし合って勝利をつかんできた。そんなチームをまとめたのは、他でもない中嶋聡監督(54)。発する言葉は選手を発奮させ、時には勇気づけた。
今年のシーズン中に1度だけ、試合後の全体ミーティングを行ったことがある。リーグ3連覇達成から約2週間後、10月6日ロッテ戦。今季ワースト被安打21、12失点を喫し大敗を喫した。
「このままだったら、あっという間に終わっちゃうよ。寂しいよね? そしたらここで上げていかないと」。
中嶋監督は怒らなかった。いつもグラウンドで会話する時と同じ優しい口調。語りかけられた一言一言は、選手の身に染みいるような言葉だった。
けがや不調の選手が相次いでも戦い続けられたのは、コミュニケーションのたまもの。「調子が悪かったら、あのもつ鍋屋に行ってこい」。打たれたり、打てなかった選手がいれば、冗談交じりになじみの店を紹介することもあったという。
日本シリーズの激闘を終えた直後。中嶋監督は「本当にみんな全力でやってくれたのでね、負けの責任は僕が取る。僕の責任なのでね、本当によくやってくれたと思います」と言った。短い言葉に悔しさと、選手への思いがつまっていた。【オリックス担当=磯綾乃】




