阪神の1軍春季キャンプ地、沖縄・宜野座を一足早く訪れると、随所に「アレ効果」が垣間見えた。

「バイトするならエントリー宜野座スタジアム」の敷地内に構える、名物弁当店が「パーラーぎのざ」。訪れると「優勝 夢と感動をありがとう」と書かれた旗が真っ先に目に入る。

毎年選手にちなんだ新メニューを用意する同店。今年は例年よりも多くのメニューを考案したという。店長の新里玲奈さんは「感動してしまった自分がいて…。いつもより新商品は多いです。自分がウキウキしてしまって、優勝にあやかって」と笑顔で明かす。阪神1軍が宜野座キャンプをスタートさせた03年に営業を開始。ともに歴史を歩んできたからこその喜びを、メニューに詰め込んだ。

新作の1つが西勇をイメージした「西から旋風~勝つ乗せタコライス」。タコライスの上にソーストンカツが乗ったボリューム満点の弁当だ。疲れた体にパワーが注入され、空腹とは無縁の一日を過ごすことができた。

ふと球場に目をやると、右翼の芝部分に防球ネットが設置されていた。今春キャンプの観客増を見越し、外野芝席を練習時から観客へ開放可能にするための施策だという。日本一フィーバーへの準備も万全だ。宜野座村役場の担当者によると、今年は村内自体でも阪神熱の高まりを感じた1年だったという。

「やっぱり、阪神はもう相当身近になっている。本格的なファンが増えたなというのは感じます。熱狂的な方もいらっしゃるので」

沖縄のホームグラウンドでもある宜野座。2月には、改めて温かい大歓迎を受けることだろう。【阪神担当=波部俊之介】

快晴のもとキャッチボールをする梅野。右翼後方には防球ネットが(撮影・上田博志)
快晴のもとキャッチボールをする梅野。右翼後方には防球ネットが(撮影・上田博志)