DeNAの春季キャンプの第1クールが4日、終わった。気温25度を超える暑さで選手も報道陣も真っ赤に日焼けをする中、ひときわ注目を浴びているのがドラフト1位の度会隆輝外野手(21=ENEOS)だ。最多3球団競合の末に入団したドラフトの目玉で、打撃センスあふれる社会人ナンバーワン打者。だが、野球のすごさだけでない魅力が詰まっている。

何より目を見張るのが、報道陣への“神対応”ぶり。メイン球場と室内練習場、サブグラウンドと移動が発生する度に10人を超えるテレビクルーと記者の集団が周りを取り囲んで話を聞く。練習の疲れもあって、話したくないときがあってもおかしくないが、いつも想像を超える元気ではつらつとした言葉とテンションで応えている。

なぜそこまでできるのか。「取材していただけるということはありがたいことですし、みなさんに期待してもらっているということも当たり前のことじゃないので。期待してもらっている以上は自分は元気出して、ハキハキと答えるのが常識だと思っている。目立たせてもらっている以上、練習も頑張った中でそういうところも頑張るべきかなと思います。そこは当たり前だと思ってやっています」と言った。元来持ち合わせる明るい性格だけでなく、周囲への感謝や責任感があった。

度会へのぶら下がり取材は毎回笑いが絶えない。ある時はお風呂でのリフレッシュ方法を問われ「歌を口ずさんでます。100年~先も~♪ですね。嵐の歌です」と美声をとどろかせたり。ある時はポケモンの話から「僕をポケモンの声優で使ってください。声優、マジでやりたいんですよね。ガチでやります」と逆オファーしたり。ある時はモノマネが得意という話から映画ハリー・ポッターの登場人物ハグリッドの声マネや日本テレビ系「ぶらり途中下車の旅」のナレーターの声マネ、アニメ鬼滅の刃の煉獄(れんごく)杏寿郎の声マネをしたり。ある時は海沿いを自転車で移動しながら「幸せは作るものじゃなくて~♪」と口ずさみながら「海来たら平井大さんの曲を歌いたくなりますね」とノリノリだったり。

陽気なだけではない。後ろ歩きで撮影しているカメラマンに「段差危ないっすよ」「後ろ注意してくださいね」と優しく気遣いする。

まだ実戦も始まっていない段階でも、メディア露出はどんどん増加。大騒ぎするのはまだ早いかもしれない。それでも、それ以上に世の中にどうしても伝えたい、知って欲しいと思わせてくれる魅力が、度会にはある。【DeNA担当 小早川宗一郎】

報道陣に囲まれながら移動するDeNA度会隆輝(2024年2月3日撮影)
報道陣に囲まれながら移動するDeNA度会隆輝(2024年2月3日撮影)