ソフトバンク和田がキャンプ4度目のブルペンに入った。捕手を座らせ、直球を主体に50球を投げた。内外角を指示しながら、ほとんどが捕手の構えるミットに正確に投げ込まれた。
2球ほど「あっ」と声を出し、低めと高めにボールがそれて苦笑いを浮かべたが、内容には満足そうだ。「前回(のブルペン投球)よりも感覚的によかった。両サイドにしっかり投げることができた。もっともっと精度は上げないといけないけど、前回よりも1段階上がれたかな、という投球ができた。ここからさらに2段階くらい上がればいい」と納得の表情だった。
キャンプ調整は小久保監督ら首脳陣から一任されている。21日には43歳の誕生日を迎える。ベテラン左腕にとって、焦らずじっくりと自分自身と向き合いながらコンディションを整えられるだけに、気分的にも落ち着いているようだ。
とはいえ、気持ちは高ぶった。この日のブルペンではB組の若手投手陣が投球を見学した。捕手後方のネット裏からの熱視線に気分も乗った。「若い子が後ろで見ていたのでちょっと力が入りましたけど、少しでも彼らなりに気づきがあればいいなと思う。変な球は投げられないな、と。いつもより集中できたので逆に良かった」。和田自身にとってもモチベーションを高める効果があったようだ。
日米通算163勝の投球を食い入るように見つめ、3年目の風間はため息交じりに言った。「やっぱりすごいと感じました。力感なくあれだけ制球も良く投げられて。僕もしっかり頑張らないと」。感激しながらも、足踏みを続ける自らにカツを入れた。21年ドラフト1位右腕はまだ1軍登板がない。和田の渾身(こんしん)の50球がどれだけ心に響くか。若鷹成長の糧となれば、キャンプの収穫もまた大きい。【佐竹英治】




