巨人が球団創設90周年事業の一環として台湾・台北ドームに遠征した。

2日中信ブラザーズ戦の観客3万7890人は台湾プロ野球史上最多。3日楽天モンキーズ戦も3万890人のファンが集まった。1日の練習から現地テレビカメラ18台、報道陣80人が集結するなど連日の大熱狂だった。

舞台の台北ドームは台湾初の多目的ドーム球場だった。昨年12月に開業に至った。立地も中心地にほど近くアクセスも抜群。台北ドームの完成は、台湾の野球熱をさらに熱くするように思えた。

ドーム球場だが、フェンスが外野フェンスは“ホームランキャッチ”ができそうなくらい低い。まるでメジャーの球場のよう。臨場感があった。

観客席にも工夫が施されていた。座席は白だったり、緑だったりで配色。国立競技場のように、観客がいない時も、まるで客席は人で埋まっているような錯覚に陥った。

人工芝はミズノ社のものが採用された。衝撃吸収力が高く、足への負担も少ないようだった。

台湾といえば、ベンチ上で踊るチアリーダーの応援も名物。試合前にはチアリーダーの会見もセッティングされた。インスタグラムのフォロワー95万人以上の中信ブラザーズのチア、チュンチュンらが盛り上がる一戦を彩った。

巨人阿部監督は親善試合前に言った。「本当は監督としてでなく選手としてやりたかったと思うぐらい素晴らしい球場だなと思いました。台北ドームができたことで、台湾のプロ野球ももっと盛り上がるんじゃないか。今は無くなってしまいましたけど、アジアシリーズとか、そういうのが近い将来復活するように。その先駆けとなるよう、この試合がうまくいくように」。3日には、台湾の蔡英文大統領はX(旧ツイッター)に日本語で「野球の試合を通じて台湾と日本の絆を再確認することができました」と記した。野球を通じた国を超えた交流。それが、今後より深まっていくように感じた台湾遠征だった。【巨人担当=上田悠太】

笑顔を見せる楽天ガールズ(前列)とヴィーナス(2024年3月3日撮影)
笑顔を見せる楽天ガールズ(前列)とヴィーナス(2024年3月3日撮影)