<オープン戦:ソフトバンク5-0巨人>◇14日◇ペイペイドーム

うれしい悲鳴と言っては大げさだろうか。「先発投手陣」の再生に取り組むソフトバンクにとって、またひとつ大きな収穫を得る試合となったのではないだろうか。試合後の王球団会長の言葉がそれを物語っていた。開口一番、「いやあ、大津はよかったね」と言って一塁側ベンチ裏の通路から姿を見せた。オープン戦2度目の登板となった2年目の大津亮介投手の投球に納得の様子だった。

身長175センチ、体重64キロ。細身の右腕が巨人打線を寄せ付けなかった。140キロ後半の直球に緩急をつけたチェンジアップがさえる。初回2死一塁。4番岡本和を直球とカットボールで0-2と追い込む。3球目は外角低めへの124キロのチェンジアップで空振り三振に仕留めた。5回までに8奪三振。5番坂本は2打席連続三振に切るなど、直球と変化球を巧みに使い、6回79球を投げ無失点投球。G打線を翻弄(ほんろう)した。

昨シーズン後半から「先発転向」を公言。志願の新ポジションだけに、簡単に先発ローテ枠から脱落するわけにはいかない。2日のDeNA戦(ペイペイドーム)では3番手で1回3安打1失点。教育リーグでの先発となった6日の阪神戦(鳴尾浜)では3回2/3、71球を投げ2失点と結果を残せなかった。「もう僕はアピールするしかなかったんで、自分の持っているすべてを出せてよかった。開幕ローテーションに入れるように、数少ない試合でアピールしていきたい」と大津は口元を引き締めた。

打線は柳田の1号先制3ランに、助っ人ウォーカーの2号2ランとアーチ2発で勝負を決めたものの、王会長はホームランには言及せず「大津はコントロールがよかったし、投球に緩急をつけてね。緩い球をうまく使ったよね」と褒めたたえた。

小久保監督、倉野1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーターから「開幕ローテ入り」の確約こそ、明言されることはなかったが、2年目右腕の評価がグーンと上がったことは確か。打線にしても投手陣にしても、とにかくレベルの高い競争継続を-。残り2週間に迫った「開幕」まで投打にさらに火花を散らしてもらいたい。【佐竹英治】