誇らしげに優勝ペナントとトロフィーを持ってドームを1周するホークスナインを見て、25年前の記憶がよみがえって来た。福岡にホークスが移転して11年目のシーズン。ようやく悲願を達成した。1999年(平11)9月25日。ゲームセットの瞬間を王監督は笑顔で見守っていた。王ダイエー初V。右翼を守っていた秋山は目に涙を浮かべていた。マスクをかぶった城島は守護神ペドラザに駆け寄って抱き合い、声を上げて泣いた。小久保も大泣きだった。みんな泣きに泣いて、笑った。
あれから四半世紀が過ぎた。4年ぶりにV奪回を果たした小久保ホークス。福岡移転後、10度目の歓喜。パ・リーグとなって優勝回数は南海時代と同じ回数になった。ホークス誕生の地・大阪で決めた覇権奪回。そしてV決定から地元福岡に戻っての凱旋(がいせん)勝利。「(大阪で)優勝して、今日もこっちで勝ったしよかったよね。今日が(王ダイエー)初優勝の日? そうだったかね。もうだいぶたったね」。王会長も感慨深そうに「V記念日」を振り返った。懐かしそうに記憶をたどると、笑みを浮かべて「うん、うん」とうなずいた。
チームを先導するように両手を広げてグラウンドを歩いた小久保監督も笑顔、笑顔だった。チーム内で25年前の初V戦士は小久保監督、倉野、若田部両投手コーチ、そして村松打撃コーチの4人だけ。もちろん、選手に経験者がいるはずもない。時の流れの速さを実感するばかりだ。ただ、この25年で10度の優勝回数はリーグトップ。「常勝復活」と言いながら、強さを見せつけている四半世紀と言っていい。
弱小球団と呼ばれ、Bクラスに甘んじていたとき、ダイエー初代オーナーだった中内いさお氏の皮肉交じりの言葉が懐かしい。「リーグは6球団だから、6年に1度は優勝せなあかんですな」-。もう、今や遠い昔の話となった。




