高い壁を乗り越えるためには、圧倒的な力を見せつけなければいけない。今季、遊撃のレギュラー奪取を狙うソフトバンク野村勇内野手(29)はそんな思いで今キャンプに臨んでいるはずだ。

パンチ力ある打撃は最大の武器。2戦目となったこの日の紅白戦で快音を響かせた。白組の1番ショートで先発出場。初回の第1打席。左腕大野稼頭央投手(21)の直球を中堅右へライナーで運び、快足を飛ばして三塁打。「いきなりいい感じで打てましたね。とにかく昨年からやっている前でさばくという打撃を徹底してやっています」。4回の第3打席では1死一塁から三遊間を破る左前打。積極的にバットを出し、マルチ安打とした。

昨年はキャリアハイの126試合に出場。12本塁打を放った。ちょうど1年前のキャンプはB組スタート。打撃指導はなく、もんもんとした鍛錬の日々。先輩山川穂高内野手(34)と食事に出かけて打撃開眼のヒントを得た。「山川さんが、前でさばけと。それまでは球を呼び込むように打っていたんですが、あ、それだなと。ビビッときました」。立ち上がって何度も打撃フォームを繰り返した。食事も忘れた。居酒屋は「打撃教室」となった。その「教え」は今も貫いている。

内野の要である遊撃のポジションは守備力も絶対条件。この日は正木智也外野手(26)の三遊間を抜けそうな打球を逆シングルで好捕。攻守にアピールした。独自調整のS組だった今宮健太内野手(34)も今クールから合流。プロ17年目のベテランも「開幕戦はショートで出るのが大前提」と言った。後輩に定位置を譲る気はさらさらない。次クールの紅白戦には今宮も出場予定。22、23日の侍ジャパンとの練習試合は2人にとって強烈なアピールの場となりそう。首脳陣を悩ますハイレベルなバトルを繰り広げてもらいたいものだ。【ソフトバンク担当=佐竹英治】

ランチ特打をする今宮(撮影・梅根麻紀)
ランチ特打をする今宮(撮影・梅根麻紀)