東京ドームで開催されたWBC1次ラウンドは史上最高の盛り上がりとなった。スタンドは連日のようにほぼ満員となり、日本戦以外の試合にも大勢のファンが詰めかけた。取材に訪れた報道陣もこれまで以上の人数が詰めかけ、より国際色豊かなイベントに成長したことを実感させられた。その取材の舞台裏を振り返ってみた。
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★圧倒的熱気
連日多くのファンで埋め尽くされた東京ドームのスタンドに、誰もが目を奪われた大会だった。1次ラウンドC組10試合の平均観客動員は3万6527人で、4万人を超えたカードが何と7試合。球場は常に、熱気に包まれていた。
それは球場の裏側でも同じだった。日本メディアからは100人を超える報道陣が集まっていたが、台湾からもそれに匹敵する報道陣が集結していた。チームが試合前のグラウンドで練習を始めると、ダッグアウト前の取材エリアが台湾メディアで埋め尽くされ、選手がベンチに戻ってくると、たちまち報道陣に囲まれ、黒山の人だかりとなった。
そんな取材フィーバーは、それだけ台湾で野球代表への注目が高まっていたことを示していた。チームは2勝2敗で勝率2位に並んだものの失点率で下回ったため1次リーグ敗退となったが、選手らが大会を終えて台湾の空港に到着した際には台湾スポーツ省の李洋部長(大臣)と300人のファンが出迎え、健闘をたたえる花束贈呈式もあったという。台湾メディアの若い女性記者に、野球ファンの間で最も人気の高い選手は誰かと聞くと「NPBで活躍している選手はかなり人気です」と教えてくれた。ソフトバンクの張峻瑋(チャン・ジュンウェイ)や徐若熙(シュー・ルオシー)、日本ハムの古林睿煬(グーリン・ルェヤン)といった投手たちは、エリートとみなされ、注目度も高いのだという。
日本や台湾の次に多くのメディアが集結したのが韓国。記者の1人に聞くと、総勢55人が取材に来ていたという。ただ選手と報道陣が和気あいあいの雰囲気の台湾メディアとは、少し雰囲気が違っていた。韓国が日本に6-8で敗れた後に1人の記者に聞くと「母国の野球ファンから失望と怒りの声が上がったんだよね」と話しており、代表チームに対する取材にも、やや緊張感が漂っていた。
そして驚いたことに、東京ドームにはドミニカ共和国のメディアも来ていた。準々決勝で対戦する敵を取材するためだが、それはドミニカ共和国でもこの大会がそこまで注目されているということを示していた。
米国から取材に来ていたジ・アスレチックのアンディ・マッカロー記者に東京ドームの感想を聞くと「熱気に圧倒されたよ。応援セクションというのはメジャーにはないので興味深かった。日本、韓国、台湾の応援がそれぞれ個性があって面白い」と取材を楽しんいる様子で、侍ジャパンについては「次に誰がメジャーに来るだろうかと思いながら見ていたよ。伊藤大海は数年内に来るんでしょう」と話していた。米メディアは23年の前回大会では、日本のスナック菓子にほれ込んだことで有名になったMLB公式サイトのマイク・クレア記者くらいしか来ていなかったが、今回は少なくとも3人が来ていたので、やはり注目度が上がっていることを感じさせられた。WBC熱は各国で、確実に高まっていた。【水次祥子】




