平成の記録を不定期で振り返る3回目は、平成生まれの選手です。平成時代も30年を数え、後半では平成生まれの選手が話題になりました。1989年(平元)生まれは今年で29歳と脂が乗ってくる世代。投手では菅野智之(巨人)打者では中田翔(日本ハム)が数字でリードしています。

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プロ野球で最後の昭和生まれは斎藤佑樹(日本ハム)のニックネームから「ハンカチ世代」と呼ばれ、田中将大(ヤンキース)前田健太(ドジャース)坂本勇人(巨人)柳田悠岐(ソフトバンク)秋山翔吾(西武)らが該当する。平成生まれ(89年1月8日以降生まれ)は06年高校生ドラフトから入団し始め、07年ドラフトの佐藤由規(仙台育英-ヤクルト)唐川侑己(成田-ロッテ)中田翔(大阪桐蔭-日本ハム)は「高校ビッグ3」と呼ばれた。

平成生まれ初勝利は唐川がマークした。プロ初登板の08年4月26日ソフトバンク戦で7回無失点。高卒新人の初登板初勝利で先発7イニング以上の無失点は、88年野村弘(大洋=完封)以来の快投だった。唐川はパ・リーグの高卒新人で史上初のデビュー3戦連続先発勝利を挙げている。

その唐川と07年6月30日の練習試合で投げ合い、9回19三振を奪ったのが当時東海大相模3年の菅野だ。菅野は東海大に進学し、日本ハムのドラフト1位指名を拒否して浪人。ビッグ3に遅れること5年でプロ入りしたにもかかわらず、今季まで通算76勝を挙げ平成生まれのトップに立った。

打者では中田が本塁打、打点の2部門で平成生まれ最多を記録。中田は1年目に1軍出場なし。4年目の11年からレギュラーに定着し、今年8月24日楽天戦で通算200号に到達した。通算打点も大阪桐蔭の1年後輩にあたる浅村に104点差をつけてトップをキープしている。

平成生まれの第1号本塁打は伏兵の中井大介(巨人)が放った。2年目の09年9月11日、広島小松からマツダスタジアムのバックスクリーンへ2ラン。通算11本塁打でこのオフに巨人を戦力外となったが、実力はまだ買われている。巨人時代は83代目の4番に座ったことも。DeNAと契約した来季、12年目のシーズンを迎える。

今季は大谷翔平(エンゼルス)が平成生まれ初の日本人大リーガーになった。このオフには丸(広島→巨人)浅村(西武→楽天)西(オリックス→阪神)が平成生まれ初のFA移籍となり、時代は確実に流れている。【織田健途】

平成生まれの部門別10傑
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