西武森友哉
西武森友哉

西武とのオープン戦。室内練習場に現れた森友哉の頭髪が目についた。言わずとしれた春夏連覇の大阪桐蔭OBで藤浪晋太郎とバッテリーを組んだ男。普段見ていないので知らないだけかもしれないが、すっかり金髪になっている。高校時代は考えられない。阪神の若手にはいないタイプである。なかなか派手だ。

ヘッド格ともいうべき作戦兼守備・走塁コーチの馬場敏史に聞いてみる。20年以上前、オリックスでの現役時代から知る仲なので聞きやすい。森友哉の髪形はなかなかすごいね。西武は自由な感じ?

馬場 そうでもないんだけどね。あまり変な格好してたら「なんだそれは!」とか言うんだけど。あいつ(森)は言うこと聞かんからね。

馬場は苦笑しながら話した。しかし見渡すと金髪は森だけではない。まあ、自由なのだろう。おしゃれしていようがしていまいが実力がなければ通用しない世界なので、究極、関係ないとも言える。

そんなヤンチャ風な森友哉に聞きたいことがあった。もちろん藤浪のことだ。12日中日戦(ナゴヤドーム)で制球難をさらけ出し「自分にガッカリした」。現在は無期限で2軍調整中。森についてはドラフト時に阪神が獲得することを藤浪自身が望んだという存在でもある。復活へ、何かヒントはないですか。

森 そうですね。うん。いやあ。分からないですね。

考えながら話す森を見ながら、ふと思ってしまった。さらに口にしてしまった。

「そんな髪形にすればよかったりしてね。彼も」。

すると森は「ああ。なるほどね。イメチェンですね。イメチェン」と話した。

イメチェン。イメージチェンジとは外見などが変わってこれまでと違う印象を与える様子になることだ。補足すれば、森が言いたかったのは髪形ではなく何かを少し変えるということかもしれない。藤浪の内面で変化が生まれれば、また違った結果になるかも。そういうことだと思う。誰もが感じていることでもあるのだが。

甲子園、19年初勝利。福留孝介の豪快な一発に雨の中、応援した虎党は沸いた。勝利同様、看板選手の活躍は何よりファンが喜ぶ。そして藤浪の復活も虎党が待ち望むポイントだ。もちろん焦りは禁物である。首脳陣も静かに見守っている段階だ。

開幕ローテーションに入ることは事実上、できなかった。だが指揮官・矢野燿大が言うように「何かをつかんで」戻ってきてほしい。明るい森の表情と常にフルスイングを心掛ける姿を見ながら、そんなことを思っていた。(敬称略)

中日亀沢に死球を与え渋い表情で汗を拭う藤浪(2019年3月12日撮影)
中日亀沢に死球を与え渋い表情で汗を拭う藤浪(2019年3月12日撮影)