年頭から私事で恐縮至極ですが今年で60歳になります。1963年(昭38)の7月に生を受けて、2023年でちょうど60年。高校卒業から大学を「1浪1留」の6年かかって88年に日刊スポーツに入社。それからあっという間にこの年まで来てしまいました。

おそらく多くの人々がそう感じるのでしょうが、こちらも「まさか自分が還暦と呼ばれるトシになるとは…」という思いで正直、戸惑う日々です。

今年60歳を迎えるのは著名人でも豪華なメンバーが多い。芸能界ではすっかり重鎮になったダウンタウンの2人、海外に目を向ければブラッド・ピット、ジョニー・デップという大物も。球界では工藤公康氏、槙原寛己氏、さらに金村義明氏。メジャーを代表した左腕のランディ・ジョンソン、さらにNBAのレジェンド、マイケル・ジョーダンも63年生まれです。

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自分の人生を振り返れば10歳のころはともかく、20歳、30歳…とそれぞれ節目があったと思います。強く印象に残っているのは、やはり40歳を迎えた2003年(平15)です。

阪神担当キャップだったこの年。タイガースは闘将・星野仙一の下、18年ぶりのリーグ優勝を達成しました。自分で言うのも恥ずかしいですが激務に耐え、最後に優勝の現場に立ち会った喜びはひとしおでした。

これも私事ですが00年に妻を亡くし、まだ幼かった3人の娘を周囲の協力で育てながらの取材、執筆の日々だっただけに本当に感慨深かったものです。

その2年後、05年に岡田彰布監督の下で阪神は2年ぶりのリーグ優勝を果たしました。それでも申し訳ないですが印象は18年ぶりというスパンだっただけに03年の方が強かったと感じています。

そこから、それこそ常勝軍団になるかと思われましたが、現状、この05年が最後の優勝になっています。

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リーグ分立後、阪神の優勝は62年、64年、85年、そして03年、05年の5回。これはDeNA(横浜時代など含む)の2回に続いてワースト2位です。日本一となると85年の1度だけで、これはリーグ最少なのです。

38回のリーグ優勝を誇る巨人と比べるのは厳しいとしても「伝統」を誇る球団としては、やはり、さみしいとしか言いようがない状況でしょう。

個人的に見れば63年に大阪で生まれてから59年の間に4回の優勝、88年に入社してからは2回だけ。ここまで来ると本気で「生きているうちにもう一度、優勝を見ることができるか」という気持ちさえ、出てきます。

そして今年「最後の優勝監督」である岡田氏の第2次政権が始まります。前任者である矢野燿大氏の4シーズンはすべてAクラス。その中心選手はほとんど残っているだけに、ここはやはりチャンスと言えるでしょう。

「予祝」から「アレ」。注目されるフレーズの印象はまるで違いますが、指揮を執るもの全員が目指しているもの、目指してきたものは同じはずです。

03年の星野阪神は「18年ぶりリーグ優勝」でした。もしも今季、優勝できれば岡田監督は自身が胴上げされてから、やはり「18年ぶりのV」。くしくも星野氏と同じことを達成することになるのです。

「岡田はな。現役時代も、引退して評論家になっても、コーチのときも『いつかは自分が監督をやる』というつもりで野球を見てきたと思う。そうでないヤツとは、そこが違うんや」

かつて星野氏から「監督・岡田彰布」について聞いた言葉です。

その星野氏が虎党にもたらしたのと同じ「18年ぶり」歓喜の瞬間を実現できるかどうか。23年シーズン、そこが注目なのは間違いありません。

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ここ数年は「虎になれ!」として阪神コラムを書かせていただいている立場として阪神中心の視点になりましたが新しい年に優勝を夢想するのはどの球団のファンも同じでしょう。

相変わらず先行き不透明な世の中ですが喜びと熱さをもらえるプロ野球はやはり楽しい。こちらも還暦を挟んで、どうでもいい、しょうもない、それでも「ちょっとおもろいやないか」と思っていただけるものを書けるよう、精進していきたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。【編集委員・高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「高原のねごと」)

05年9月29日、巨人に勝ってリーグ優勝を決め、胴上げされる阪神岡田監督。
05年9月29日、巨人に勝ってリーグ優勝を決め、胴上げされる阪神岡田監督。