「ポスト岡田は誰だ?」を年の瀬にボンヤリと考えていた…。

久しぶりの監督復帰からスタートした阪神・岡田彰布の日本一ストーリー。「名将」の称号を得た。なにせ球団史上2人目の日本一監督だ。さらに来シーズン、初めてのリーグ連覇、2年連続日本一に挑むシーズン。これを成し遂げれば、名将を通り越して、どう呼ばれるのか。そして、これで「勇退」…というのが、こっちが勝手に描くイメージ。それを直接、本人に問うた。

「そんなん、何も考えてないわ」。簡単に質問は遮られた。自分の進退、去就のことより、まず2024年シーズンをどう戦っていくか。岡田の頭は、切り替わっていく。

ただし、ポスト岡田は非常に気になることに変わりない。長くて3年、場合によっては2年で監督を退くかもしれない。これを先のことと考えるのか。

今オフ、2024年度のコーチングスタッフが決まり、発表された。若いスタッフが加わったが、それ以外は全員留任。そこに注目人物の名はなかった。藤川球児は球団スタッフとして残り、外国人関係のアドバイスを送るポジションのまま。もうひとり、鳥谷敬はまたユニホームを着ることにならなかった。

ポスト岡田の候補者は以前から今岡、藤川、鳥谷とされてきた。その中で今岡だけがコーチとして復帰し、そのまま打撃コーチとして2年目を迎える。「岡田さんには戦うこととともに、後継者を育ててほしい」。本社、球団の総意である。手元において、帝王学を-。それができているのは、現状、今岡だけで、藤川、鳥谷は2024年もグラウンド外での立ち位置となる。

岡田は昔からこう語っている。「2軍の監督経験がいかに重いか。いきなり1軍監督というのは、やはり無理があるし、指導経験を積むことは、ホンマ、大切やと思うよ」。それでいくと藤川、鳥谷はあてはまらない。

では今岡にポスト岡田は絞られたか…といえば、そうでもない。岡田の周辺、関係者の声を集めてくると、2人の名が出てきた。まずひとり目が、ヘッドコーチの平田勝男。ちょうど1年前、岡田復帰の前に、大本命だったのが、この平田だった。本人もそれを知っている。ところが土壇場で岡田の登場。普通、がっかりしても不思議でないのに、平田はヘッドコーチの要請を快諾した。そして岡田の陰で、チームをまとめ上げた力量は、岡田も認め、感謝していた。

そういう経緯もあるだけに、岡田のあとは、平田に…という声がある。そしてもうひとりは2軍監督の和田豊。1軍監督経験者で、キャリアは豊富だし、今回、岡田からの直電による2軍監督要請。それまで岡田-和田の関係は密ではなく、逆にかなりの距離感があった。にもかかわらず、2軍監督を要請したのは、それなりのインパクト。こうとらえる関係者は多い。だから和田もポスト岡田の候補となる。

いずれにして来年の成績、岡田の体調、岡田の考えによって、すべてが決まる。2025年も…となるのか、それとも2024年で終えるのか。まあポスト岡田を決めるには、岡田自身の意向が大きく反映されるのは間違いない。個人的には平田監督を見てみたい、と思うのと同時に、アッと驚く掛布監督もなんてこともあるのですが…。【内匠宏幸】(敬称略)