西武戦は3連勝。これはデカい。一息ついて、さらに勢いもついた。交流戦は残り7試合。難敵のオリックスとソフトバンク。それと雨で流した日本ハム戦。もちろん勝ち越しを願うが、相手は強い。正直、五分で終わってくれれば…と思う。
昨年の交流戦を思い出す。18試合で7勝10敗1分け。借金3で終わった。これを最低の目安にしてほしい。目下4勝7敗である。五分でいけば昨年と同じ。傷は浅く済む。
それにしても西武戦の勝ち方がよかった。際立った投手力。やっぱり阪神は守り、特に投手力と再認識した。2戦目のビーズリー。ひとりで投げ切ってくれた。3戦目の才木も8回まで投げた。登板が多くなっていたリリーバーの負担は軽減。これが何より…と監督の岡田彰布も考えていた。
トラの投手陣、改めて珍しい構成だと思う。先発、セットアッパー、クローザーにドラフト1位はひとりだけ。西純のみで、それ以外はたたき上げの苦労人投手ばかり。こんな構成は他球団にはない。
先発組では才木=3位、伊藤将=2位、村上=5位、大竹=育成4位、西勇=3位、ビーズリーでローテーションを回し、セットアッパーでは桐敷=3位、石井=8位、島本=育成2位、富田=6位、浜地=4位、漆原=育成1位、西純=1位(6月9日のベンチ入りメンバー)。クローザーは岩崎=6位。他の先発要員では青柳=5位、及川=3位で、12球団見渡しても、「ドラ1」のいない投手陣を形成している。
ここ10年、阪神のドラフト1位は野手が多かったこともあるが、投手のドラ1は低調だった。さかのぼれば岩貞、藤浪が1軍でブレークしたが、ここ数年は馬場、西純、森木。そして今年の1位の下村は投げる前に手術となった。
だが、そういう状況だからこそ、「強さ」を身につけた、たたき上げ投手が生まれたのだろう。早くも7勝を記録した才木は最たる存在である。ヒジを手術し、つらい日々を送ったが、目標を見失わなかった。リハビリ、トレーニングで徹底的に体を強くした。それが下半身にみなぎっているし、顔はパンパンに張っている。地力がついた証しは、体のほとんどに現れている。
地道に導いたトレーナー、コーチの手腕も素晴らしく、さらにドラフト1位でなくても、結果を残すことを夢見たスカウトの存在。そしてあきらめることなく、思い切って起用した前監督の矢野、前々監督の金本、そして時の担当コーチのコーチングが、ここで実った…ことは高く評価されるべきである。
それを昨年、岡田がメリハリをつけて起用し、リーグ最強のスタッフを定着させた。いまのメンバーはさほどチヤホヤされることなく年数を重ねてきた。入団時、脚光を浴びることもなく、地味に投げ続けた。それがいま、チームの強みの象徴になった。ドラ1のいない投手陣、実に痛快なドラマを、ここからまた見せる。まさに「チーム力」で、ここから巻き返しに挑む。【内匠宏幸】(敬称略)(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「岡田の野球よ」)




