無観客でのセンバツ開催へ向けて、県岐阜商は5日から練習を再開した。新型コロナウイルス感染防止のため政府の休校要請を受け2日から練習を休んでいたが、4日に日本高野連が開催への方向性を見せたため始めた。部員50人のうち30人で、練習時間を短くして行っている。

鍛治舎巧監督(68)は「年末年始も休まず練習をしてきたから、疲れも出てきていたので、3日間休めたことをいいようにとらえたい」とプラスに考えた。甲子園へ向け実戦形式のメニューで、チームプレーを磨いている。

県岐阜商が今年1月に必勝祈願に行った岐阜市にある本荘神社に記者も行ってみた。JR岐阜駅からタクシーで行き先を告げたが、「え、どこですか」と、地元の運転手も知らない場所だった。車で約10分、大通りからちょっと中へ入り込んだところにある、小さな神社だった。

そこには富士山、出雲大社、伊勢神宮、白山の4つのパワースポットの中心に位置する「縁(えにし)を結ぶ しあわせ祈願の宮」と書かれてあった。それでも、あまり知られていないのか、行った日は昼すぎでも参拝客は少なかった。

これまでの必勝祈願は岐阜市の伊奈波神社に参拝していたが鍛治舎監督は「ほかの高校も祈願しているし、違うところで」と変えた。社会人パナソニック時代の教え子から教えてもらったそうだが、ユニホームも練習方法もガラリと変えた鍛治舎監督らしい発想だった。

5年ぶりのセンバツ出場だが、まだ開催の可否は決まっていない。複雑な思いで球児たちは練習を続けている。パワースポットの力もあやかりながら、1日でも早く笑顔でプレーできる世の中に戻ってほしい。【アマチュア野球担当 石橋隆雄】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

県岐阜商・鍛治舎巧監督
県岐阜商・鍛治舎巧監督