DeNA対阪神 雷雨のためノーゲームとなり、スコアボードには「本日中止」と表示された(撮影・加藤哉)
DeNA対阪神 雷雨のためノーゲームとなり、スコアボードには「本日中止」と表示された(撮影・加藤哉)

雷光はナイター照明よりはるかに明るかった。30年近くプロ野球の取材に携わっているが落雷のために試合中止というのは記憶にない。1回裏。雨も降っていないのに試合が止まった。そんな光景も見たことがない。しかし中止が出た直後からの豪雨を見れば正しい判断だった。

指揮官・矢野燿大が就任して1年目の阪神。苦戦を続けながら57勝60敗6分けの借金3で現在、4位だ。残り20試合でクライマックスシリーズに進出できるかどうかが焦点になっている。そこに大きく影響するDeNA、広島と続く運命の敵地6連戦だ。その初戦はめずらしい形で中止となった。

すでに123試合を消化したがビジターゲームが中止になるのは意外にも今季初のことだ。そしてこの試合がさらに「運命の一戦」になる可能性が出てきたと書けば笑われるだろうか。

現在、阪神の試合日程は今月24日の巨人戦(甲子園)まで決定している。これは5月28日の試合が雨で流れたもの。さらに甲子園でのホームゲームは8月27、29日に雨で流した中日戦が残っている。

その中日戦2試合がどこに入るかはまだ決まっていない。そこに加え、この日のDeNA戦が残された。現実的に考えて今後の巨人戦は阪神の順位に直接は影響しないと見る。中日戦が影響するとすればそれは5位に落ちる方だろう。

しかしDeNA戦は違う。そこは阪神がまさに追い掛けている相手だ。3位広島もあきらめておらず、これからの3週間で順位がどう変動するか。底力のある広島だけに予断は許さないと思っている。

そう考えれば、今月25日以降に組まれるDeNA-阪神戦(横浜)は、ひょっとしたら阪神のAクラス入りのかかった試合になるかもしれない。

「そうですね。本当にそんな感じになるかもしれませんね。きょうはやりたかったですけど。こればかりは仕方ない。それより、本当に次に横浜に来るときの試合が大事になるようにしたいですね」

ヘッドコーチ清水雅治は囲んだ記者たちにそんな話をした。優勝が最大の目標だったが、それはかないそうもない。それでも少しだけ楽しめる展開になってきた。追加された横浜の夜(昼の試合になるかもだが)をビッグゲームにできるかどうか。やはり今週の戦いにかかっている。(敬称略)

DeNA対阪神 コールド試合となりバスへ向かう矢野監督(撮影・加藤哉)
DeNA対阪神 コールド試合となりバスへ向かう矢野監督(撮影・加藤哉)