複数の知人との間で同じ話題が出た。球界に関係ない知り合いが言うには「セ・リーグ、今年はクライマックス・シリーズ(CS)がなくてよかったな」。

巨人が5球団を圧倒しての独走状態。この日の時点で2位の阪神と12・5ゲーム差だ。「これでCSがあったとして。2位とかが勝ってしまったらどうするんだ? CSをやるパ・リーグはちゃんと混戦になっているじゃないか」。なかなか厳しい話だった。

そんなことを言う人がいたよ、とこれを球界関係者に話すと、やはり違う意見だった。「ルールで決まっていることですから。それは仕方ないでしょう」。これもその通り。そもそもプレーオフというのは興行面を優先しての行事だ。

CSがあってもなくても一般的に野球ファンはひいきのチームが頑張った上での混戦状態を期待するものだろう。その意味では今季は巨人ばかりが目立って、本当に困ったものだ。そう思っているとこの日、ショッキングな決定があった。

「NPBは理事会などを開き、11月21日から始まる日本シリーズの開催球場についてセ・リーグは巨人が進出した場合、京セラドーム大阪を使用することを正式に決定した」-。巨人の日本シリーズ進出はまず間違いない。従って今年、セ・リーグ側の本拠地は京セラドーム大阪になる。

もちろんコロナ禍による日程変更の影響なので仕方がない。それは理解した上で、やっぱり違和感が残る。巨人が大阪で日本シリーズを戦うとは。オリックスとの決戦という意味ではない。セ・リーグのホームとして戦うとは-。

セ・リーグ側が日本シリーズを関西で行うのなら、それはどう考えても「阪神が甲子園で戦う」以外にないだろう。しかし今季はそうではない。“巨人優勝”でなければ起こらなかった事態である。

阪神-巨人20回戦は次代のエース高橋遥人が完投勝利し、本当ならずっと4番を打っているはずの大山悠輔が4番で勝ち越し2ラン。それも本塁打王争いをしている岡本和真の目の前で岡本に並ぶ24号だ。両外国人抜きの打線で圧勝。これ以上ない形でのG倒だ。

いろいろ条件は違うけれど、こんな勝ち方ができるのなら最初からやってくれということだ。残り試合は30試合を切った。この日のようなゲームをどれだけやれるかで来季への期待度は違ってくる。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

阪神対巨人 巨人に勝ちエアタッチを交わす阪神高橋(左から2人目)と大山(右端)らナイン(撮影・垰建太)
阪神対巨人 巨人に勝ちエアタッチを交わす阪神高橋(左から2人目)と大山(右端)らナイン(撮影・垰建太)