現在、大阪府、兵庫県、宮城県で適用されている新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」を「まんぼう」と略するのはよろしくないらしい。ユーモラスな言葉の響きが事柄の重要性にそぐわないということのようだ。

ユーモラスと受け取るかどうかは人によるのでは…とは思うけれど、とりあえず大阪はコロナ感染の勢いが止まらないし、ここはしっかり気をつけたい。

阪神は巨人に連勝だ。3連敗で始まった昨季のことを思えば感慨深い。しかしエラそうに言って申し訳ないけれど阪神にも「まんぼう」の必要性を強調しておきたい。こちらは「慢心防止等重点措置」だ。

1点リードの4回だった。佐藤輝明のラッキーな安打、さらに右打ちが光る梅野隆太郎の連打で無死一、二塁。次打者は木浪聖也だ。次は投手の打順だけに、ここはなんとか走者を進めたいところ。

しかし木浪は初球を打ち上げて二塁へのポップフライに倒れた。これは虎党でなくても首をひねってしまう場面だろう。初球に手を出すのはいいけれど転がすことが必須。そろそろ中心選手の1人になってほしい男がこれでは、正直、ガクッときてしまう。

幸いにも先発のルーキー伊藤将司が追い込まれながらも犠打を成功させ、近本光司の二塁内野安打につなげた。そこから「どうしたんや?」と思うほど絶好調・糸原健斗の適時二塁打につながって3得点。これで木浪のミスは消えたけれど展開次第ではどうなっていたか。首脳陣にきっちり指摘しておいてほしい。

「足を使って攻めるウチらしい野球ができた」。指揮官・矢野燿大は勝利後にそう話した。実際、うまくいきすぎと思うぐらいの展開である。この勢いを止めないためにも細かいプレーが重要だ。好調に慢心しているとは言わないけれど、そういう様子を少しでも感じさせてはいけない。

誰が見ても巨人は元気がない。新型コロナ感染で1人5連覇男・丸佳浩の不在が大きいと思う。しかしシーズンは始まったばかり。新加入の助っ人が加わってくればDeNAを含めてペナントレースの様子が変わってくる可能性は十分だ。

だからこそきっちり攻めて、きっちり守る。幸いにも現在の阪神、戦力は整っている。とにかく今のうちに走れるだけ走ることだ。そのためにも「まんぼう」である。(敬称略)