1日遅れだがずっと考えていたことを書きたい。18日のオリックス戦。阪神のスタメンに大山悠輔の名前がなかったのは承知の通りだ。現在の日本球界のエースともいうべき山本由伸が先発した試合に最近まで“4番争い”をしていた阪神の選手の名前がなかった。

オープン戦だし、昔と違っていまは休養、休みをとらせることが多いし、スタメン落ちをおかしく感じることはないのかもしれないが、やっぱり、これまで長く野球を見てきたこちらとしては少々、驚いた。

誰が見ても現状の阪神で大山は間違いなくレギュラー格だろう。そんな男がオープン戦13試合目にして初めてスタメンから外れたのが山本が投げる試合だったとは-。

その18日、大山は9回に代打で出て四球を選んだ。この日はどうかと思っていたらスタメンだった。前日のベンチスタートは何だったのだろう。不調か。疲れか。右対右を避けたい考えか。本当のところは分からない。それでも虎番キャップたちの取材に答えた指揮官・矢野燿大の談話からおぼろげに想像できる。

「コロナもあるし、チームの調子やケガ、もちろんあってほしくないけど、いろんなことが考えられるから。今やれるんやったら今のうちにやっておいてもいいんかな。いつも出ている選手が出ていない悔しさもあると思う」

細かく突っ込むようで申し訳ないけれど「コロナ禍でいろいろなことがある」と言っても、それは出場できる状態にある選手を試合に出さないということにはつながらない。力点は後段の部分、つまり「いつも出ている選手が出ていない悔しさもあると思う」というところではないか。

現状の不振が開幕後も続けば「大山抜き」の打線を矢野はイメージしているかもしれない。そこから想像できるのはシンプルに「大山よ。奮起しろ」ということだ。ソフト路線の矢野だけに言葉で気合を入れるのではなく、起用で示したということだと思う。

我慢して使うのか。調子を見て起用を決めるのか。どちらがいいのかは、正直、分からない。ハッキリしているのは大山が文句なしの結果を出せば、そんな悩みは生まれてこないということだ。繰り返すが大山は間違いなく阪神の主力選手である。だからこそスタメンで出てほしい。この日の1安打が“悔しさ”の証明なら何よりだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)