「変なゲームいうたらおかしいけど…」。指揮官・岡田彰布はそう言った。8月9日は語呂合わせで「野球の日」だったそう。いろいろあった結果、決勝点は梅野隆太郎が放った「センター・ゴロ」の間に入った1点だ。野球好きには記憶に残る試合になったはずだ。
阪神ビーズリー、巨人グリフィンと両外国人の先発で始まった試合はハイスピードで進行。7回に梅野の適時打で勝ち越したとき、現在の両チームの勢い、流れの違いもあって正直、勝負あったと思った。
それがいけなかったのか。その裏、まさかの事態が起こる。代走で途中出場、先制のホームを踏んでいた島田海吏が左中間に飛んだブリンソンのフライをまさかの落球。続く代打・中田翔に桐敷拓馬が逆転2ランを浴びてしまう。
「好事魔多し」とはこれか。島田よ。こんなこともあるのか。その心中をおもんぱかりながら今度は敗戦を覚悟する。すると8回、中野拓夢に同点弾が飛び出すではないか。「野球の神様」はどうしようとしている。ひいきチーム関係なしに楽しませようということか。それでも延長11回、首位で精神面で有利な阪神が巨人ビーディを攻め、3点を勝ち越し。これで試合が決まったのである。
ここで独断と偏見で思う。岡田が「変な試合」と表現したキッカケは、ひょっとして「中野のあれ」だったかもしれない。終わった頃にはみんな忘れていたがスコアブックを見直し、ははあ、と勝手に思う。
1回だ。近本光司が安打で出て、早くもチャンス。ベンチはここで2番・中野拓夢に犠打を命じた。しかし、2球失敗した後、空振りで三振。堅い作戦の目立つチームで、いただけない出だしだった。
「おお。あいつ、あんまり(バント)うまないな。まあ、そんなにさせてないしな。それより本塁打やろ。バント失敗より、同点本塁打の方が大きい」。岡田はこちらの問いかけに対して、そう話した。
その通りである。阪神はこれが今季100試合目。首位を快走、「アレ」へ向け、マジックも点灯しようかという時期にさしかかっている。そう、シーズンはヤマ場を迎えつつあるのだ。DeNA、広島のライバルたちを尻目に阪神は快調だ。ミスが出ても勝てばいい。いや、中野はそれを補ってあまりある結果を残した。もはや「結果オーライ」の時期だ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




