野球用具メーカーの名門「SSK」の協力を得て、道具選びのイロハを紹介します。今回はスパイク編です。

(2016年2月9日付紙面から)

少年野球用スパイク。ジャストサイズを選ぼう。価格は5000円前後
少年野球用スパイク。ジャストサイズを選ぼう。価格は5000円前後

 激しい動きを土台で支えるスパイクの重要性は、いまさら説明するまでもない。最初の1足を選ぶポイントは、グラブと変わらない。しっかりフィットしたものを選ぶことが何より大事になる。

 子どもの足は、小学生から中学生にかけ大きく成長する。「すぐ小さくなるから」と、つい大きめのサイズを購入しがち。だが、あまり大きいとスパイクの中で足が滑るなど、ケガのリスクが大きくなる。サイズが合っていないと、走るフォームが崩れてしまう可能性もある。

 個人差はあるが、小学生の足のサイズは1年で7ミリほど大きくなる。ほとんどのメーカーは、5ミリ単位でサイズが区切られている。破損しない限り、1年が新スパイク購入の大まかな目安になる。急成長する中学の時期は、半年ほどで交換する期間も出てくる。

 SSK社の小林邦夫さん(55)は「実際に履いてみたとき、足に圧迫感のないサイズがいいでしょう。サッカーと野球のスパイク選びは、少し違いもあります。比較的短い時間で激しく動き回るサッカーと違い、野球は止まっていたり、ベンチで座っている時間が長い。サッカーは少しきついサイズがいいのですが、野球は小さめだと疲労がたまって負担になります」と紹介した。

 大まかに分類すると、小学生のスパイクは靴底と一体となったポイント式のものが一般的。中学や高校では、金属の歯が靴の裏に埋め込まれたタイプが主流になっている。小林さんは「ひと昔前は、革製の底に歯のついた金具を装着するのが主流でした。今ではプロ野球の一部の投手しか使っていません。野手で使っている選手はいないのでは」。野手の間で流行しているのが軽量化したスパイクで、ほとんどのメーカーで300グラムを切るものを販売している。

 軽さを追求すれば、足への負担は軽くなる。しかし弊害もある。「安全性を考えれば、少々、重くてもしっかりとしたスパイクの方がお勧めです。少年野球の場合は、特に安全性を重視した方がいいと思っています。エナメル性のスパイクは破れにくくて、汚れも落としやすいですから」と小林さん。高価な軽量スパイクを買うなら、成長とともにサイズの合ったスパイクへ替えていく。経済的にも足のためにも得策になる。

 消耗品のスパイクを長持ちさせるアイテムもある。有名なものだと、削れて穴が開きやすいスパイクの先端から内側を保護する、通称「P革」がある。右投手だと、右側のスパイクに装着する。P革には大小あり、消耗の激しい投手が装着することが多い。野手は小さなP革を着けたり、接着剤のようなゼリー状の液体を塗って固めて、強度をアップさせる。

 文字通り足元を固めて、技術の向上を目指そう。(つづく)

【小島信行、宮下敬至】