本宮が、福島南に逆転サヨナラ勝ち。弟増子慧祐投手、兄遼祐捕手(3年)の「双子バッテリー」は抱き合い、うれし涙を流して喜んだ。背番号1の慧祐は3週間前に腰痛を発症。痛みが取れてもフォームが崩れて調子が上がらないため、この日は遊撃で先発した。だが、2-3と1点を追う9回から登板。2安打を許し2-4とされると、遼祐が声をかけた。「俺たちが組むのが最後だと思って、楽しんで投げろ」。慧祐は兄の言葉を支えに、涙をこらえながら16球を投げきった。

 その裏、ミラクルを起こしたのも4番に座る兄だった。1死一塁から3連打と四球で1点差とし、なお1死満塁。右前にサヨナラ2点タイムリーを決め、弟の力投を勝利につなげた。「慧祐の球を受けると試合が楽しくなる」(遼祐)「長年の付き合いなので安心感がある」(慧祐)と思い合う、顔も体形もそっくりの双子バッテリーの夏はまだまだ続く。