“あみだくじ打線”がつながった浦和学院(埼玉)が、市浦和を退け、難なく8強入りを決めた。

 初回に先制を許すも、3、4回に3点ずつを奪い一気に流れを引き寄せた。この2イニングで7安打を集中させたが、長打は二塁打2本だけ。好機を見逃さず、たたみ掛ける攻撃で序盤で勝負を決めた。森士監督(51)は「3番から6番は誰がどの打順を打ってもおかしくない。だから試合前日にあみだくじで決めました」と笑った。

 指揮官は前日22日の練習後に、1人ずつを呼び、紙に書いたあみだくじを見せた。頭にあったプランは、3番から順に津田翔希内野手(3年)、高橋司外野手(3年)、荒木裕也外野手(3年)、山崎滉太内野手(3年)。その順番であみだの場所を選ばせると、思い描いていた通りの打順になった。

 「これは神のお告げだろ」と冗談を言いながら、先発が決まっていた小倉匡祐投手(3年)と2番手を予定している榊原翼投手(2年)にも、あみだを引かせた。するとまたもプラン通りの順番が出た。前日から勝利の女神はほほ笑んでいたのかもしれない。

 もちろん、意図はあった。森監督は「3~6番が(緊張で)少し硬かったから、和らげるつもりで」と説明。この日は3~6番が合計7安打6打点と、あみだ効果はてきめんだった。4番の高橋は「最初は『え!』と思いましたけど、監督があみだを引かせた理由は理解してました。3~6番は誰が打ってもいい」と控えめだったが、4安打2打点の活躍で存在感を示した。

 くじ運を勝負運の強さに変えた浦和学院に、死角は見当たらない。【高橋悟史】