北海道代表の札幌第一は四国代表の高松商(香川)に敗れた。5回までに4点を先行され、6回から救援したエース上出拓真(2年)が、自身初の1試合2被弾で万事休す。打線も、相手右腕の大きく縦に割れるカーブに手を焼き、終盤に2点を返すのがやっとだった。

 厳しい現実に、上出は思わず天を仰いだ。三塁守備から6回、3番手でマウンドへ。点差は4点。これ以上、失点は許されない。「自分で何とかしようと力んでしまった」。8、9回。甘く入った直球を左翼席へ運ばれた。

 今秋、北海道で防御率0点台を誇ったエースも、全国舞台では1回戦の関東第一(東京)戦で8回8安打4失点。この日も4回7安打3失点と、打ち込まれた。「北海道では真っすぐでフライに打ち取れたのが、全国では今日みたいに本塁打になってしまう。(現状では)直球の球威が足りない」。課題は明確だ。

 2試合で11失点の投手陣に、菊池雄人監督(43)は「投手に関しては完敗です」と、認めざるを得なかった。ほぼ出場が確実な来春のセンバツ(甲子園)まで、約4カ月。「少しでも課題を減らしたい」と上出の言葉に力がこもった。【中島宙恵】