さや姉だって注目!! 履正社(大阪)寺島成輝投手(3年)の集大成の夏が16日、幕を開けた。第98回全国高校野球選手権の大阪大会の関大第一戦に先発し、7球団が見守る前で4回を3安打9奪三振1失点。今年の公式戦6試合目で初失点するホロ苦発進も、「全試合勝ち抜いて甲子園に行きます!」と宣言。高校野球ファンのNMB48山本彩(23)も熱視線を送る左腕が、ヤクルト山田を擁した10年以来となる夏の聖地にひた走る。

 ヤクルト山田を追う夏は、2016年初失点から始まった。履正社・寺島は最速145キロの直球を軸に4回3安打9奪三振1四球。打っても3安打3打点。だが今年の公式戦通算29回1/3イニング目で、初めて失点を喫した。「しっかりゼロに抑えて行こうと思っていましたが、ゼロにこだわるという点ではそれができなかった」と圧勝でも、反省点ができた。

 3回、先頭に二塁打。そこから2者連続三振も、中前への適時打を許した。初回の大量7点の援護で気が緩んだわけでもなかったが「浮ついてしまった」と明かした。岡田龍生監督(55)も「ああいうところが課題」と顔をしかめた。

 ドラフト1位の評価は、すでに確定ずみだ。先輩の山田は、3年夏の10年大阪大会でプロの評価を押し上げた。甲子園を決めた活躍が決め手になった。「山田のように成功体験を積んでいけるか」と、岡田監督はこの夏の寺島に期待する。視察した阪神畑山球団統括スカウト補佐は「力は抜きんでている。ゼロへのこだわりなどを身につけて、よりスケールアップするのでは」と、難攻不落の投手への成長を見守る。

 昨夏は初戦で大阪桐蔭に敗れた。「夏にかける思いが違う。全試合勝つつもり」と全国NO・1を目指すチームの思いを背負う。

 あのさや姉も、寺島の投球をチェック。「熱闘甲子園」のテーマソングに決まったAKB48の「光と影の日々」をセンターで歌う山本彩が、148キロ左腕の投球に注目している。山田を追う夏を、さや姉に追われる夏にもしてみせる。【堀まどか】