プロ注目の右腕、初芝立命館・角倉良河(3年)が昨秋府3位の阪南大高を0封した。

 背番号6のプロ注目投手、初芝立命館の角倉が、夏のデビュー登板で6回3安打無失点と好投した。相手は昨秋、履正社を倒して大阪3位となった阪南大高。井上将之監督(30)が「公式戦初の先発で、すごくいいピッチングをしてくれた。非常に、いい“計算外”、すごい収穫です」と声を弾ませた。

 阪南大高は先発9人のうち7人が右打ち。「ならば、角倉」の期待に十二分に応えた。最速141キロの速球。この日、計測はしなかったが角倉は「最速が出ている感触があった」と言う。その武器を軸に3回まで無安打。4回に先頭への四球がきっかけで2死満塁のピンチを招いたが、相手7番をスライダーで空振り三振に仕留めた。

 14日の1回戦は7番遊撃で出場した。新しいポジションは今年5月から。角倉は「捕球の難しさを経験中」と苦笑いするが、捕ったら一塁へは矢のような送球。井上監督は、角倉の打撃力も買っている。「角倉が7番に入ってくれることによって打線が厚くなる」と、二刀流に踏み切った。

 角倉には練習試合での完封実績もあるが、7回からはエースナンバーをつける左腕の斎藤広晃(3年)が投げ、無失点リレーを完成させた。3回戦では昨夏大阪代表の大阪偕星学園と対決する。その強敵は、この日10-0の圧勝で夏初戦をクリアした。角倉が注目度もアップして「大物倒し劇場」第2幕へ、万全の準備にかかる。【宇佐見英治】

 ◆角倉良河(すみくら・りょうが)1998年(平10)10月26日、大阪市生まれ。大阪此花ボーイズ(小学)-初芝立命館シニア(中学)。初芝立命館では2年秋から投手でベンチ入り。50メートル走6秒7。遠投101メートル。球種は直球、カーブ、スライダー。183センチ、68キロ、右投げ右打ち。