「清宮世代」の2年生が、全国で大暴れだ。奈良大会で、センバツ王者の智弁学園が高田商に逆転勝ち。選抜大会の不動の4番、福元悠真外野手が決勝の高校25号2ランを含む2安打2打点で、7回コールド発進だ。

 怪物・清宮に、福元は負けてはいなかった。センバツ王者の不動の4番。史上8校目の甲子園春夏連覇への初戦も、定位置に座った。4回は同点口火の右前打。1-1の6回無死二塁では、左翼スタンドに決勝の高校25号を運んだ。

 試合後、ユニホームのズボンのポケットをホームランボールでふくらませて「ここで打たないと、情けない。成長していないということ」と振り返った。自分自身に重圧をかけ、結果でそれをはね返した。

 初打席から災難に見舞われた。三塁ゴロを打って一塁ベースに駆け込んだ際に一塁手とぶつかり、頭を打って倒れ込んだ。初安打の4回は、エース村上頌樹(3年)の安打で一塁から三塁に滑り込んだときに相手野手に右手を踏まれ、臨時代走と交代。傷だらけになりながらの2安打2打点だった。

 昨秋の練習試合で5試合連続本塁打。今春の甲子園で、チーム唯一の本塁打を放った。2回戦・鹿児島実戦でダメ押しの15号2ランを打ち、39年ぶりの春8強、奈良県勢の春50勝を決めた。春は3番の太田英毅内野手(2年)をこの日は1番に置くなど、小坂将商監督(38)は夏仕様の打順を組んだが、福元の4番は変わらない。チームの信頼に2年生主砲は応え続ける。

 「今年、春夏連覇に挑戦できるのは自分たちだけ。甲子園に立つことが、連覇へのスタートラインと思っています」。全国から追われる立場でも、守りには入らない。攻めて攻めて、甲子園に立つ。【堀まどか】

 ◆福元悠真(ふくもと・ゆうま)1999年(平11)12月1日、奈良県明日香村生まれ。明日香小2年から「明日香フレッシュジュニアーズ」で野球を始め、6年時にU-12日本代表で世界選手権出場。聖徳中では「奈良葛城ボーイズ」で全国4強、タイガースカップ優勝。智弁学園では1年秋からベンチ入り。50メートル走6秒3。遠投100メートル。178センチ、75キロ。右投げ右打ち。