慶応のプランが現実になった。8-2の8回2死一、三塁。矢沢慶大内野手(2年)が1ボールからの直球を左越え3ランとし、コールド勝ちを決めた。東海大相模・北村からの1発に矢沢は「練習試合を含めても高校初の本塁打。ベンチで『笑顔で思い切り振ってこい』と言われたので、ストライクの直球を思い切り振りました」と自分でも驚いた表情だった。

 試合前、森林貴彦監督(43)は「せっかく北村くんと試合できる。集大成を見せようぜ! 今日は空振り三振10個までOK! ストレートに振りまけるなよ!」と鼓舞。まさに言葉通りの3ランだった。

 序盤は4番正木智也外野手(2年)が直球をたたき2発マーク。1点を追う1回1死一、二塁に逆転3ラン。5回も無死一塁から2ランだ。正木は「ここまで4番の仕事ができていなかったので、ようやく貢献できました」と喜んだ。積極的な「エンジョイ・ベースボール」の真骨頂だった。