歓喜の電波ジャックだ。第98回全国高校野球選手権(甲子園)で北海道勢10年ぶりの準優勝を果たした北海ナインが23日、札幌市豊平区内の同校から北海道内の民放4局に生中継で出演。計約2時間半にわたった収録で、喜びの声を伝えた。グラウンドでは準Vメンバーをのぞく1、2年生64人がさっそく始動。来月3日に開幕する秋季大会札幌地区予選に向けて、一足先にスタートを切った。

 北海道内の民放4局の生中継に相次いで出演した北海ナインは、甲子園では見せなかった柔らかな表情で、計約2時間半に及ぶ収録を終えた。26日にはNHKの「北海道クローズアップ」にも出演予定。聖地では伝わらなかった故郷の“熱”に、初戦から全5試合で先発したエース大西健斗主将(3年)は「すごいとは聞いていたけど、ここまでとは」と、びっくり。V6岡田准一似で話題を呼んだイケメン右腕は「すぐ声をかけられてしまうので、今日は家族に車で送ってもらいました。しばらく、地下鉄では通えそうもないので…」と、反響の大きさに戸惑っていた。

 灼熱(しゃくねつ)の甲子園で行われた決勝から、まだ2日。前日22日、大阪から空路、移動し、札幌の自宅に着いた時には午後9時を回っていた。「家に戻った瞬間、疲れがどっと来て、今日起きたのは午後1時50分。15時間ぐらい寝ちゃった」。危うく、テレビ出演に遅刻するところだった。

 甲子園メンバーをのぞく、1、2年生64人の新チームは、3日開幕の秋季大会札幌地区予選へ向けて、さっそくスタートを切った。準Vメンバーからは、3回戦以降4番を担った佐藤大雅捕手、道勢初2戦連続本塁打の川村友斗一塁手、俊足が光った鈴木大和中堅手ら2年生7人が残る。大西は「プレッシャーは想像以上にかかるはず。油断せず、新たな目標に向けて精いっぱい、頑張って欲しい」と、後輩たちに夢の続きを託した。【中島宙恵】