八戸学院光星(青森3位)の4番小池智也外野手(3年)が、「改心」の一振りで試合を決めた。3-3に追いつかれた9回裏2死一塁。「自分の一振りで流れを変えたかった。チームに迷惑をかけていたのでここしかないと思い打席に入った」。狙っていた直球をフルスイングして全力疾走。サヨナラの走者が生還するのを確認し、雄たけびを上げ喜んだ。

 9回に同点とされた場面は、中堅への打球にダイブで飛び込むも、捕球できず生還を許す。しかし、痛めていた左手首を投げ出してのプレーは、チームに流れを呼び戻す。「今から思うと勘違い野郎でした」。大会前、練習で3番小淵智輝弘(3年)とともに全力疾走を怠り、仲井宗基監督(47)から自覚を促された。大阪桐蔭でセンバツ優勝経験のある兄裕也さん(22)にメールで相談。「しっかり受け止めて4番としてチームを引っ張っていけ」とアドバイスを受け心を改め臨んだ大会だった。

 仲井監督は「けがを心配していたが4番らしい仕事をしてくれた」とたたえた。小池は「このチームでまだ優勝を経験していない。勝ち上がって自信をつけて夏へつなげたい」。改心した4番が、頂点に導く。