県内で2番目に古い1890年(明23)創立の伝統校会津が福島工を4-2で下し、5年連続の初戦突破を果たした。4番佐藤政志捕手(3年)が先制打を含む4打数4安打3打点で大暴れした。
県内屈指の名門校に侍が現れた。その名も佐藤政。華麗な刀さばきをほうふつとさせる巧みなバットコントロールで3方向に打ち分けた。公式戦初の4安打をマークしたが、4番の目にはチームの勝利しか映っていなかった。「点を取ることの方が大事。大きいのは狙わなかった」。3回2死満塁では、甘く入った真ん中のスライダーをコンパクトに中前へはじき返し2点先制。チームに勢いをもたらし、5年連続初戦突破に導いた。
会津高は、会津藩時代にあった武士の育成機関「稽古堂」の流れをくむ。序盤から制球が定まらなかったエース右腕斎藤勝史(3年)の女房役として、陰ながらもり立てて好投を引き出した。ワンバウンドのボールを体を張って受け止め、2点差に詰められた9回ピンチの場面ではマウンドに掛け寄って励ました。
佐藤政 いい投手なんだから、縮こまらないでお前らしく投げろ。
まさに“侍スピリット”でチームを鼓舞し、けん引した。8回3安打無失点から9回に崩れながらも、完投勝利をアシストしてもらった斎藤勝は「安心して腕を振って投げられた」と感謝しきり。佐藤政も「投手のよさを引き出せた。次もいい投球をさせたい」と胸を張った。
11日の2回戦は小野と対戦する。目標は1899年(明32)創部以来、100年以上も達成できずにいる悲願の夏の甲子園初出場だ。攻守に存在感を発揮した佐藤政は意気込んだ。「最後の夏なので、悔いがないように全部出し切ってやりたい」。大黒柱の目が鋭く光った。【高橋洋平】

